二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン×REBORN! 十年後の世界で ( No.83 )
日時: 2012/01/16 22:04
名前: しろお (ID: T3U4YQT3)

 しろくろろ様、コメありがとうございます!
 他のキャラは「なんとかかんとかぁ!」って思いっきり必殺技の名前を叫んでるのに、吹雪だけ「アイスグランド……」みたいにささやいたりするところに惹かれました。
 ですよねー! 二期の吹雪は、僕にとってはイナイレの主人公です。 ふぃ、フィディオファン多いんですか?; 
 フィディオ……なんか、半田に似てるなぁって思ってたら、逆に半田の方をキャラとして食って、逆に半田が和製フィディオなんていつのまにか呼ばれるようになってましたね;
 海外組の中ではたしかに、ダントツで人気高いですよね。
 最後まで見届けてくれたら幸いです。頑張ります!



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 次の日、休日だったので並盛へ出かけた。木枯らし荘があるここ稲妻町の隣町で、自転車で行ける距離なのだが、居候の身で交通手段が電車と徒歩しかない。
 電車賃が欲しいが、養ってもらっているのにこれ以上おこがましい真似はしたくない。なので、徒歩で行くことにした。
 稲妻町も並盛町も境界が微妙なところなので、町並みの風景が変わったりせずに、いつのまにか懐かしい場所にいた。
 商店街も住宅街も、特にこれと言って様子が変わっているようには見えない。全てに十年前の面影が残っている。いつのまにか、タイムスリップなんてただの夢だったんじゃないかと言う気になってくる。
 ツナの家の前に来て、インターホンを押す。しかし、出ない。表札は沢田のままになっている。
 家の外装もそのままだ。何一つ変わっていない。だがなんとなく閑散としている。生活というか、人の気配を感じない。
 しかしよく見てみると、屋根に黒いパネルのようなものがちらっと見えた。ソーラーパネルだろうか、十年前にはこんなものなかった。
 山本のメールに書いてあった、ミルフィオーレの『ボンゴレ狩り』。みんな、あれから逃れるために、姿をくらましたとも考えられる。
 ツナもこの時代に来ているはずなのだが十年後のツナと僕が別々の場所にいたせいでどうなっているかは分からない。最悪の場合、ボンゴレ狩りの餌食になったか。いや、獄寺や山本がついているんだ、そんなことはないだろう。
「すみません、近所の方ですか?」
 声をかけられた。碧眼に亜麻色の髪をした少年で、日本人ではないだろう。しかし日本語の発音は流暢だ。
「あ、いや。なんでも……ないです」
「申し遅れました、拙者、バジリコンという者です。沢田綱吉という人を知りませんか?」
「沢田綱吉……さあ、聞いたことないですね」
「そうですか。お手数おかけしました。では、拙者はこれで」
「おっとそうは行かないよ」
 白い制服に身を包んだ謎の集団が、僕とバジリコンの回りを囲っている。
「まずい、隠れて!」
 そう言われたので隠れる場所をとっさに探すが、その前にバジリコンが僕を無理矢理引っ張り、沢田家の敷地内の中に放り投げる。次の瞬間、爆風と共に砂埃が舞い、バジリコンの姿は見えなくなった。
 何が起きているのかわからない。とにかく砂埃がひどい。
 バジリコンの声がした。
「いくぞアルフィン、ドルフィンエッジだ!」
 そのかけ声とともに大量の水飛沫があがって、何か遊園地のアトラクションを楽しんでいるかのような事態になっている。
 しかし水が砂埃を沈静してくれたおかげで、辺りが見えるようになってきた。
「くそっ、こいつ強いぞ! 一旦退け!」
「だが、ブラックスペルの奴らよりポイント稼がないと……!」
「そんな場合じゃない!」
 白制服の連中は仲間内で揉めた後、しっぽまいて逃げていった。
「ぎりぎりだったでござるな。すみません、大丈夫ですか」
「わ、私は大丈夫……です」
「すぐに追っ手が来るかもしれません。とりあえず家の裏へ隠れましょう」
 言われるがままに、家の庭を廻って陰に隠れる。
「はあ……はあ……」
 バジリコンは肩で息をしており、だいぶ疲れているようだった。指輪をはめた手のひらを開いて、眺めている。細いチェーンのようなものが指輪から外れかかっている。それを見てバジリコンは軽い舌打ちを入れ、くるっとこっちを向いた。
「こんなことに巻き込んで、申し訳無い。実は拙者、CEDEF(チェデフ)というボンゴレファミリーの門外顧問組織の者です。あなたを巻き込んでしまった以上ほうっておく訳にはいきません。どこか、安全な場所まで行きましょう」
 僕の手を握るバジリコン。塀を乗り越え、走り出し、僕もそれを追っていく。
 ツナの家から離れる中で、ツナの声が聞こえた気がした。だがしょせん、ただの気のせいだろう。