二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【GUMI】ようこそっっ!スイートフロートアパート【裏マン】 ( No.18 )
- 日時: 2012/01/02 19:23
- 名前: 騎演男 ◆13u2kgcys2 (ID: dY0niJTv)
七階 いつでもあなたを。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああ?」
驚く順番は交代のようだ。茱萸は意味不明な叫びをあげる。
「なんで!そんな大人と契約しちゃったんだよ!」
「ゲームセンターに行ったらからまれて……借金もしたから、ッス。」
「おかしいよ!なんでだよ!」
「先週くらいまで、借金返すまでここに居座る、っていって、同居してたッス。だから、」
そう言う肩は震えている。
「変なシンデレラ現象が起きたり、歯ブラシだの、ふとんだのが増えるんス。」
「あの靴、借金取りの靴だったのね……。」
挙句の果てに、歯ブラシは浮気相手のやつではなくて、借金取りのものだった、というわけか。
「で、金がないならキノコを育てて、その育てたものをあっちに渡すことで、解決と……。それで帰っていったッス。あいつらからもらったキノコ、売ると高いらしいッス。でも、育てるのに失敗したら毒を持たなくなるんで、それが借金取り……じゃなかった、——無理やり入会させられたんだけど——組織のメンバーにばれたらやばくって、印野さんにあげてたッス。ま、報酬もそこそこあるし、やばいって言っても、罰はそんなひどいものじゃないんだけど。」
あはは、と笑う内山。何かすっきりしない茱萸。そしてその何かに気付いたとき、内山はもうすでに——……。
ここはひとつ、はっきり言っておきましょう——うつむく彼に、茱萸は言ってあげた。
「どうして。」
え、内山が顔を上げる。
「なんで、黙ってたの」
答えなさいよ、と促すように睨みつける茱萸。
「璃菜に、迷惑かけちゃいけないから、黙ってた……。アパートの皆にばれて厄介者になるのも嫌だし……。」
「……。」
——トン!
いきなり女子に肩に手を置かれて、彼はびっくりしただろう。でも、そんな隙もないかのように、茱萸は更に言ってやった。
「え」
「抱え込んでないで……少しは、相談してくれたらよかったのに。アパートの住人は、皆、あなたのことが——」
とんとん。
その合図に、けろっと元の表情に戻る茱萸。
「訪問者ですよー、内山くーん。」
あ、はい、と立ち上がる内山を見ながら、ケータイをポケットに押し込んだ。くそっ、悔しいけど、私はお邪魔みたいだな。
「あの……アキくん、いますか?」
茱萸はそっと、101号室を後にした。リア充を見逃すというのは口惜しいけれど、ね。今回はしょうがないわ。
——101号室の内山君 優しい大人に脅されて
ベランダで育てているのは (まだ)法的に許されてるキノコ——