二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ようこそっっ!スイートフロートアパート ( No.3 )
日時: 2011/12/25 12:12
名前: 騎演男 ◆f0u6qI/9fI (ID: NQUZ7aTQ)

一階 突然、当然、オレンジジュースが飲めないので腹が立ってゴミ箱倒しちゃった。

 空は今日も広くて、青い。日は、レースのカーテンをものともせずに、窓から入ってくる。相変わらず扇風機とエアコンが動いているが、このアパートの経営事情上、あまりお金はかけられない。でも、暑いものはどうしようもない、節約心には明日はじめましてすることにした。ノースリーブでも熱いこの頃。
 夏真っ盛りである。
 窓の外の高いビルを睨みつけて、「あの大手企業のビルだから、空調が効いてて快適だろうなー。あの大手企業が節電したって、こっちの電化製品をフル稼働させたのと等しいんだろうなー。まあいいや、こっちに不満があるわけでもないしー。このくそおんぼろ儲け少なすぎるアパートがどーしたってのよ!」と、印野茱萸はわけのわからないことをつぶやいた。結局は、自らの経営するぼろアパートにたいする不満全開である。
「あそこに勤めたら試合終了だよ。」
 某バスケ部の監督に著作権侵害で訴えられえそうなセリフを堂々口にして、大手企業のビルから視線を外し、椅子にふんぞり返った。机の上のオレンジジュースに手を伸ばすが、椅子に座ったままでは届かなかった。
「くそー!経営がうまくいくからってよー!」
 ようは、ヤケオレンジジュースであった。
 オレンジジュース、やっと、飲めるんだああ。
 経営上、我慢してきたかいがあった!
 200mlのパックのオレンジジュースも満足に飲めないのは、経営上いかがなものか。
 立ち上がり、オレンジジュースをつかむ。椅子に座る。
 準備完了。
「やっふうううう!」
 ……あ。
 飲み終わったパックを捨てるときのために、少々どころではないがよろしくないが、足でゴミ箱を引き寄せる。
 こ、今度こそ、準備完了!
 ストローをさし、唇に、近づけた。
 触れる。あ。もうちょっと——もう少しで、快感が——
——ピーンポーン。
「しねえええええええええええええええええええ!」
 非常によろしくない!訪問者だなんて!知らん!
 一通り、言葉を発した後——。
 ——ふう。
 茱萸は、ゴミ箱を優しく持った。少し、震えている。
 インターホンを通り過ぎて、廊下をずんずん進む。
 玄関に立つ誰かの顔面に何かがクリーンヒット。
 印野茱萸が、ゴミ箱を蹴とばした。天使の笑顔で。