二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【GUMI】ようこそっっ!スイートフロートアパート【裏マン】 ( No.9 )
日時: 2011/12/30 19:29
名前: 騎演男 ◆f0u6qI/9fI (ID: ffVqqris)

四階 彼氏は誰にもばれていないはず、と思っていた秘密を、彼女はとうの昔に脳内で常識化していたらしいけれども

 待って。
 待ってよぉ……いかないで!
 私……ムリだよぉ……あなたがいないと、あの約束を守れない……。
 みんなを……
 みんなを……にする……っていう約束を……。

 はっ!

「目、覚めましたか?」
「おおおう、竹原、バッチグーだぜえええ!」
 目を覚ますと、竹原が顔の前で待ち構えていた。
 ここは、どこだろう?あたりを見回す。……のまえに、竹原が教えてくれる。
「印野さん、ここは、病院です。一時間、意識不明で泡吹いてて……大変でした。哺乳類アレルギーのような症状ですって、お医者さんは言ってました。」
「……哺乳類アレルギーって……、飯島さんじゃないんだから。そんなのかかった覚えないし。」
「104号室に住んでるという噂の飯島さん、哺乳類アレルギーなんですか!」
「知らなかったの?」
「そんな軽蔑の目で見ないでください。でも、会いに行ったら泡吹いたし、男どもが周りにいて、一方的にそいつらがしゃべりまくってましたし、話しかけにくかったです。なんでかなー、って思ったけど……そういうことだったんですね。それにしても、美人だったなー。あー、私もあんなに可愛くなりたいなー!」
 緑色の髪のサイドテールに、目の大きい童顔の竹原。茱萸は、彼女の話がウザったくてたまらない。あなたも相当美人だから!と。
 私はどうせブスですよ!と心の中で付け加える茱萸。
「内山の話をしましょうか。さっきの、相談。」
「……あ、はい。」
「とりあえず、ベッド……ここから脱却しないと。」

 アパートに戻って、机を見ると、キノコが大量に盛ってあるバスケットがあった。メモがつけられていて、「失敗作」と殴り書きがしてある。誰のものかキノコだけで分かった茱萸は、それを冷蔵庫に投げ入れた。
「本人からだわ。あなたの言ってる。」
 なんでキノコ?と竹原は表情を曇らせる。もしかして……、いや、まさかね。
「椅子に座って。」竹原を椅子に座らせた後、茱萸は紫の飲み物を勧めた。笑顔で辞退する竹原。コップの傍らにキノコが見えたのは、気のせいであると信じたい。
 なおも勧め続ける茱萸を振り払って、相談を始める竹原。
「内山くん……そうです、アキくんです。彼が実は、先ほど話したように……。」
「アキラ、ね。何そのアキくんって。」
「彼が実は——。」
 誰かと、秘密の交際をしているようなんです。
 声を潜める竹原に、自然と茱萸は声を低めて、
 浮気?と率直に尋ねた。
 わかりませんが、そうじゃないといいです。でも、私に秘密の時間帯があって……。私、悲しくて、悲しくて。
 秘密の時間?
 そうです。今、何してるの?っていうと、はぐらかすんです。
 わお。かわいそうに……——
 絶対浮気でしょうとは口に出さない。
 さらに竹原は話を続ける。
 この前、アキくんちの洗面所見たら、歯ブラシが二本あって……。
 わお……——
 茱萸は、そこで声を大きくした。
「戦闘準備よ。行きましょう。浮気野郎を成敗しに行きましょう!」