二次創作小説(映像)※倉庫ログ

original ダンガンロンパ 第一章 絶望のハジマリ ( No.13 )
日時: 2012/01/03 13:54
名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)

「ん……。ここ、は?」


 目が覚めたとき、おれは部屋の中にいた。
 新品のような白いすべすべとした机と、事務用椅子がまず目の前にとびこんでくる。どうやら、おれはここで眠っていたらしい。
後ろに椅子を回転させる。すると、今度は真っ白な一人用にしては大きいシングルベットがあった。
ベットの中心には鍵らしきものが無造作に置かれている。

−速水刹那


 鍵についているキーホルダーに刻まれた、名前を読み上げ、おれは薄々とここがどこなのか確信する。
おそらく、ここはおれの部屋だ。

 床には群青色の絨毯が敷かれ、壁は青い縦のストライプの模様で彩られている。こうしてみると何もないいたって普通の部屋だが、この部屋には一つだけおかしなところがあった。


「なんだ、これは……?」


 机から向かって左手のプラスチック製の棚の先にある光景に、おれは首を傾げる。

 位置からして、本来は窓だろうか。
外の風景はおろか壁も見えない程、その区画だけ隙間なく木の板や鉄板を敷き詰めてあった。四端は太いネジが埋め込まれ、とてもじゃないが外せそうにない。


「テロか?」


 経験から、もっともらしい答えを探る。
 FBIとあろう者が閉じ込められるとはなんとも情けない話だ。


(にしても、一体どうなっているんだ……)


 確か、おれは希望ヶ峰学園の入り口にきていたはずだ。どうしてこんな場所にいる?
と、考えたところで答えが出るわけでもない。

 止む無くおれは、出口になりそうなものを探し始めた。
すると、ちょうどこの奇妙な壁の反対がわに白いノブを回す用のドアを発見した。


「武器になりそうなものは……ないな」


 外に何があるか分からないため、机の引き出しを調べる。
引き出しの中はほとんど何もない状態だった。
あったのは、一番上に鉛筆などの筆記用具とカッター、のり、はさみといった文房具と、新品のノートが三冊。
二番目は何もなく、一番下にはおれの手の平に簡単に収まるくらいの透明な液体が入った小さな瓶が置いてある。


「なんだ、これは?」


よく分からないので、おれは触らず静かに元に戻しておいた。
低いとはいえ、爆発物という可能性も捨てきれないからだ。

 続いて、棚を調べると寝間着が一着と、シャツ、下着が二枚ずつ。
それ以外はなにもない。


「結局、着の身着のままか……」


 隠し持っていたはずの拳銃(もちろん本物だ)とジャックナイフも無くしたらしい。
落とすはずがないのに、本当に理解不能だ。