二次創作小説(映像)※倉庫ログ

original ダンガンロンパ 第一章 ( No.22 )
日時: 2012/01/07 21:24
名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)


(しかし、なんだあれは?)


 おれは目の前の巨大な鉄板の扉を見る。
米倉が玄関ロビーと言っていたことを考えれば、おそらくこれが出口に繋がっているはずだ。

そう思ったところで、不動が声をあげた。


「おい、本題に入るぞ。仲良く“はじめまして”ばかり、やっている場合じゃないからな」
「そういえば、さっき言っていたな。この状況とお前も、という台詞。あれは、どういう意味だ?」
「刹那君、言ってたよね?色々あって寝ちゃったって。それってわたしたちも一緒なんだ」
「一緒だと?」
「希望ヶ峰学園の玄関ホールに入った直後に、いきなり気を失ってさぁ。そんで、気づいたらなんか自分の部屋っぽいとこで寝てたって訳!刹那もそうなんだろ?」
「ああ。だが、ここにいる全員が揃って気を失うということはそもそも考えられないことだが……」
「だから、お手上げってこったな。まるで質の悪いゲームの世界だぜ」


 笹川の言葉に一同に全員が肩をすくめてみせる。


「だが、異常なのは、気を失った件だけではないぞ。君たちもここや、廊下の窓を見ただろう?至る所に、鉄板が打ち付けられていた。あれは一体なんだ!?」
「それと、わたしの荷物が見つかってないのよ。鞄はともかく、スケジュール帳がないと困るのだけど……」
「わたしの……鞠も……ありません」
「オレの持ってきたとっておきのドンペリもないんだ。せっかく祝いに一杯やろうとしてたのに」


一人、おかしなやつが混じっていたが、おれは無視することにした。


「それに、妙なのは、この玄関ホールもだ!奥の入り口が妙な鉄の塊で見事に塞がれてしまっているじゃないか。僕が入ってきた時にはあんな物なんてなかったぞ?」
「ひょっとして、なんか犯罪チックなことに巻き込まれたとか?」
「犯罪って…。もしかして、誘拐、とかですか?」
「みんなで希望ヶ峰学園から連れ去られて人質にとられました……なんてオチか?最悪過ぎんだろ。オリエンテーション的なもんじゃないのか?」
「オリエンテーション?」
「そういえば、中学校では入学して間もない頃にそんなことやってたよ!学校に早く慣れるようにって」
「学校に慣れる……。ありえませんわ」
「ああ。この企画を立てたやつが目の前にいたら、泣かせてやる」
「ちょいちょい、お兄さん。マジで怖いから止せって」
「でも、ドッキリなら安心だよね!まゆゆん!」
「なっ!?あ、あのなぁ、雅。わたしをそんな名前で呼ぶな!」
「え?どうして?まゆゆん可愛いのに」
「わたしもかわいいと思うよ」
「こらこら澪、そう言ってやんな。まゆゆんが恥ずかしがるだろ?」
「おい笹川!!」


 そうして、いつの間にか異常事態から、雅が付けた篠田のニックネームについての論争が起こりそうなその時だった。


突然“それ”は始まった。