二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- original ダンガンロンパ 第一章 ( No.25 )
- 日時: 2012/01/07 21:52
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
「ヨロシクねッ!!」
場違いなほど明るい声。
場違いなほど脳天気な振る舞い。
間違いない、先程の声の主はこいつだろう。
おれの抱いていた不快感はいつの間にか、底知れない恐怖へと変わっていた。
が、しかし
「うおおお、スッゲェェェーッ!!!」
「ヌイグルミが喋ったぁぁぁー!!」
その中でも、花月と雅は幼い子供のように目を輝かせていた。
「お、おお、落ち着け!どうせ、ヌイグルミの中にスピーカーが仕込んであるだけだろう!!」
「お前さんが落ち着けよ」
空気も読めずにはしゃぎだす花月と雅。
それに突っ込む篠田と御剣に、おれは一瞬どうすればいいのか分からなくなる。
ただ、冷静そうな篠田が、この状況にどこか戸惑っているのだけは理解できた。
「だからさぁ、ヌイグルミじゃなくてモノクマなんですけど!しかも、学園長なんですけど!」
「うわぁぁぁぁ!動いたぁぁぁぁっ!!」
「おいマヌケども。そのうるせぇ口閉じねぇと、糸縫い付けて二度としゃべれなくしてやるぞ?」
「雅歌音、花月京、落ち着くんだ!恐らく、ラジコンかなにかだろう」
「しょぼーん。ラジコンなんて子供のおもちゃと一緒にしないで。深く深くマリアナ海溝より深く傷付くよ」
「あ、ごめんなさい。クマさ……じゃなくてモノクマさん」
「米倉、謝らなくていい」
おれは息を深く吸い込んで、モノクマというぬいぐるみを睨みつける。
やつはこの希望ヶ峰学園の学園長だと言っていたが、仮にこれがオリエンテーションというのなら、ここまでの悪ふざけも大概だ。
「あのねぇボクには、NASAも真っ青の遠隔操作システムが搭載されてて!って、夢をデストロイするような発言をさせないで欲しいクマー!!」
「クマ?ベタなのね」
「じゃあ、進行も押してるんで、さっさと始めちゃうナリよ!」
「それキャラ違うだろ、コロ○ケだろ」
「ご静粛にご静粛に。えー、ではではっ!」
「…諦めた、な」
「起立、礼!オマエラ、おはようございます!」
「「おはようございまーすっ!!」」
「おい、ここは幼稚園か?ぶっ殺すぞ?」
きゃっきゃっとはしゃぐ花月と雅に不動の苛立った声が混じる。
「まあまあ、落ち着いて。では、これより記念すべき入学式を執り行いたいと思います!
まず最初に、これから始まるオマエラに学園生活について一言。えー、オマエラのような才能あふれる高校生は、“世界の希望”に他なりません!そんなすばらしい希望を保護するため、オマエラには“この寮内だけ”で、共同生活を送ってもらいます!みんな仲良く秩序を守って暮らすようにね!」
「は?」
「えー、そしてですね…その共同生活の期限についてなんですが」
なんのことかよく分からないおれたちに、わざとらしく、モノクマは一拍溜めると
「残念!!期限はありませんっ!!つまり、一生ここで暮らしていくのです!それがオマエラに課せられた学園生活なのです!」
きっぱりとそう言い放った。