二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- original ダンガンロンパ 第一章 ( No.26 )
- 日時: 2012/01/07 21:54
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
一生ここで暮らす?
おれはその言葉を自分の中で繰り返して、その場に硬直した。
「……え?一生ここで、生活するんですか?」
「あぁ、心配しなくても大丈夫だよ。予算は豊富だから、オマエラに不自由はさせないし!」
「そういう心配じゃありませんわっ!!何をおっしゃるかと思えば、冗談にも程がありますわよ?」
「ボクはウソつきじゃない!その自信がボクにはある!あ、ついでに言っておくけど、外の世界とは完全にシャットアウトされてますから!だから、汚れた外の世界の心配なんて、もう必要ないからねっ!!」
「シャットアウトだと?では、やはり窓や出口や通気孔にあるあの鉄板はおれたちを閉じ込める為のものか?」
「そうなんだ。だから、いくら叫んだところで、助けなんて来ないんだよ。そういう訳でオマエラは思う存分、この寮内だけで生活してくださーいっ!」
「えぇーと……。あのさぁ、希望ヶ峰学園が用意したにしては、いくら何でも悪ふざけが過ぎるんじゃ」
「それ以上は……ウソでも……ひどい、ぞ」
「さっきからウソだの冗談だのって疑り深いんだから。でも、それもしょうがないかぁ。隣人を疑わなきゃ生き抜けないご時世だもんね。
まぁ、ボクの言葉が本当かどうかは、後でオマエラ自身が確認してみればいいよ。そうすれば、すぐにわかるから。ボクの言葉が、純度100%の真実だって事がさ!」
「困るんだけどなー。こんなとこでずっと暮らせ、って言われても」
「おやおや。オマエラもおかしな人達だねぇ。だって、オマエラは自ら望んで、この希望ヶ峰学園にやってきたんでしょう?それなのに、入学式の途中で、もう帰りたいとか言い出すなんてさぁ」
「当たり前だ!こんなところとは聞いていない!!」
篠田がとっさに立ち上がり、反抗の声を上げる。
それに続いて安積も立ち上がった。
「そうだ、いい加減にしろ!僕たちはここに勉学に、能力の向上のために来ているんだ!!悪ふざけはそこまでにして、僕たちをここから出せ!!」
「ふーん。まぁ、ぶっちゃけた話、ない訳じゃないよ。ここから出られる方法」
「ほ、本当ですか…?」
「もちろん。学園長であるボクは、学園から出たい人のために、ある特別ルールを設けたのですっ!それが『卒業』というルール!!では、この特別ルールについて説明していきましょーう。
オマエラには、学園内での“秩序”を守った共同生活が義務づけられたわけですが、もし、その秩序を破った者が現れた場合、その人物だけは、学園から出て行くことになるのです。それが『卒業』のルールなのですっ!」
「その“秩序を破る”とはどういう意味だ?」
「うぷぷ…それはね………」
モノクマはたっぷりと、もったいつけてから先ほどまでと変わらない明るい声で、脳天気な振る舞いのままで…
「人が人を殺す事だよ…」
たった一言、そう告げた。
「こ、殺すぅ…ッ!?」
「はい!殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺斬殺呪殺…殺し方は問いません。『誰かを殺した生徒だけがここを出られる』それだけの簡単なルールだよ。最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください」
「貴様、本気か?」
おれは思わず拳を握りしめ、立ち上がる。
だが、頭の中では分かっていた。
こいつの言っていることは本気だろう、と。
もちろん、嘘であれば一番よいが、大山が言った通り、嘘の割には狂い過ぎている。
『誰かを殺した生徒だけがここを出られる』
そんな言葉を、教育者という者が使っていいはずもない。
おれは恐怖からくる寒気よりも、怒りからくる熱気に身をやつしていた。
「うぷぷ。本気に決まってますとも!!こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、鮭や人間を襲う程度じゃ得られませんなぁ。さっきも言ったとおり、オマエラは言わば“世界の希望”な訳だけどそんな“希望”同士が殺し合う、“絶望”的シチュエーションなんて……んーっ!ドキドキする〜っ!!」