二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- original ダンガンロンパ 第一章 ( No.28 )
- 日時: 2012/01/07 23:56
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
「なっ!?い、今のは一体?」
「お、おいおい。洒落なってねーぞ!?ば、爆発しやがった……!」
痛みを伴う激しい耳鳴り。
むせ返りそうな火薬の匂い。紛れも無く、本物だ。
かつて、実体験をしたことのあるおれには分かる。
モノクマは、安積を本気で道連れにしようとしていた。
「でも、爆発したって事は、あのヌイグルミも壊れたのよね?」
「ヌイグルミじゃなくてモノクマ!!」
「うわっ!別のが出てきた!?」
安積の前に、また先程とそっくりそのままのモノクマが現れる。
口には出さなかったが、ゴキブリ並に沸いて出る、とはこういうことを指すのだろう。
「お、お前!!僕を殺そうとしたのか!?」
「当たり前じゃん。マジに殺そうとしたんだもん。校則違反するのがイケナイんでしょ?今のは、特別に警告だけで許すけど、今後は気をつけてよね。校則違反をするような悪い子は、お尻ペンペンレベルの体罰じゃ済まさないからッ!」
「ねぇ、ひょっとして、君みたいのって、他にもたくさんいたりする?」
「モノクマは、学園内の至る所に配置されております。さらに、学園内には監視カメラも配備されております。そして、校則を破る物を発見した場合は、今みたいなグレートでエクストリームな体罰を発動しちゃうからねっ!うぷぷっ。次からは外さないから、そうならないように気をつけてね!」
「む、無茶苦茶ですっ!!」
「じゃあ…最後に、入学祝いとして、オマエラにこれを渡しておきましょう。この学園の生徒手帳です。」
そう言って、やつはまず安積に生徒手帳を渡すと、教壇の上から飛び降りて1人1人の元に生徒手帳を渡していった。
「カッコイイでしょ?電子化された生徒手帳、その名も…なんとっ!!電子生徒手帳です!!」
「………………」
「コホン、気を取り直して。
電子生徒手帳は学園生活に欠かすことのできない必需品だから、絶対になくさないようにね!!それと、起動時に自分の本名が表示されるから、ちゃんと確認しておいてね。単なる手帳以外の使い道もあるんだから。
ちなみに、その電子生徒手帳は完全防水で、水に沈めても壊れない優れもの!耐久性も抜群で、10トンくらいの重さなら平気だよ!詳しい“校則”も書いてあるんで、各自、じっくり読んでおくよーに!
何度も言うけど、校則違反は許さないからね!ルールは人を縛りもするけど守りもするんだ。社会でも、法律がないと平和は成立しないでしょ?それと一緒!だから、違反者は厳しく罰する必要があるのです!
ではでは、入学式はこれで終了となります!!豊かで陰鬱な学園生活をどうぞ楽しんでください!それじゃあ、まったね〜!」
そして、呆然とするおれたちを残して、モノクマは玄関ロビーの方向に、走り去って行った。追いかける気はとても起きなかった。
正直、おれも一体全体、何が起こったのか、うまく整理がつかなくなりそうだ。
「お、お前たちは今のを一体どういうものだと考える?」
「どうも……。というか、ぜんっぜんわかんねーよ!」
「こ、ここで一生暮らす……?こ、殺す……?あぁ……ううぅ…!!」
「東雲、しっかり……するんだっ!」
「みんな、落ち着け。とりあえず、今の話をもう一度まとめてみよう。あのモノクマとやらの発言によると、おれたちが与えられた選択肢は二つ。一つは、この学園で“期限のない共同生活”を送ること。もう一つは」
「生きて出る為に、“仲間の誰かを殺す”ですわね?」
「こ、殺すなんて……。そんなこと、できないよっ!!」
「だな。いきなり拉致られて、学校らしき場所に閉じこめられて、そんで、いきなり殺し合い。悪夢かこれは?」
「そ、そうだっ!こんなバカげた話、悪夢以外のなんでもねーだろ!」
「はっ。本当かウソかなんて問題じゃない。問題となるのは、この中に、その話を本気にするヤツがいるかどうか、だろ?」
不動の言葉に、おれたちは再び押し黙った。何も言えなかった。
ただ、押し黙ったまま、互いの顔を見回していた。
視線が誰かのものと交差するたび、うっすらとした敵意すら感じ取れる。
そこで、おれはようやくモノクマが提示したルールの本当の恐ろしさを知った。
『誰かを殺した生徒だけがここを出られる…』
その言葉は、おれたちの心に根深く“恐ろしい考え”を植え付けていた。
『誰かが裏切るのでは?』
という疑心暗鬼を。
こうして、おれの久しぶりの学園生活は始まった。
だが、幾つかの期待に胸を膨らませてやってきたこの学園は“希望の学園”ではなかった。
ここは“絶望の学園”。
そしてこれが、おれたち15名の悲劇の幕開けだった。
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第一章、ようやく完結です。
モノクマの台詞はほぼそのままのものを使用していますので、自然と苗木君たちと同じノリになっています。
あほの子×2(花月京&雅歌音)で大分癒されてくれたら、幸いです(ひど
舞台が”学園”ではなく、”寮”となっていますが、これは間違いではありません。ちょうど本編のダンガンロンパの舞台から、学校をほぼ抜いたような形になっています。
ここからグロイ描写や作者のオリジナルが強くなりますので、閲覧の際はご注意ください。
では、次回の更新でお会いしましょう。