二次創作小説(映像)※倉庫ログ

original ダンガンロンパ 第二章 ( No.34 )
日時: 2012/01/11 18:47
名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)

「ありゃあ……ダメだな。完全にオレたちとは相容れなさそうだ」
「だなー……。おれ、あいつ苦手だわ」
「むしろ、あいつが苦手じゃないやつがいるのか?」
「あー……わたしは平気、かも」
「え?どうしてですか?」
「なんだろう。まーくんってああだけど、なんか訳がありそうっていうか……うーん……」
「雅歌音、止めておけ。同情しても彼には無駄だ」
「そうだな。したら最後、潰しにかかってきそうなタイプだな」
「それでも……やっぱり、心配だから行ってくるよ!それじゃ!」
「あっ。歌音ちゃん!」
「雅!?待て!!」


 雅が、それを追うようにして篠田が小ホールを出ていく。
おれたちは二人の背中を見送ってから、互いに顔を見合わせた。


「というか、すまん。ここまでのことになるとは思わず……迂闊だった」
「いや。隠していたおれが悪い。いずれは、ばれることだったからな」


 笹川が頭を下げようとするのを制し、おれは頭を抱える。
それから、確認のため電子生徒手帳のプロフィール画面を開いた。

 たどっていくと、確かにおれ個人はもちろん、他のみなの身長、体重、出身校などの情報とともに超高校級の能力が記載されている。
もちろん、おれのところは”超高校級の警察官”の文字が躍っていた。

 まさか、電子生徒手帳に他人のプロフィールが書かれているとは……考えもしなかった。


「隠していた?どうして隠していたの?」
「こういう事件が起こったとき、警察官が中にいるとなれば騒ぎも大きくなるだろう?不安に思う人間もいる。だから、敢えて話さなかった」
「なるほど。私たちの暴走を防ぐため、ですわね?先ほどの野蛮な方を出さないために」
「それじゃ、刹那くんは全然悪くないよ。わたしたちのために嘘をついてくれてたんだから」
「いや……。だが、捕まってしまったのは事実だ。不動にああ言われても仕方がない」
「でも、あいつだって捕まってんだろ?」
「みんな……同じ、だ」
「それに、警察がいるんなら心強いぜ。正直どうなるかと思うけど、お前がいるならなんとかなるかもだろ?」
「僕も、頼りにしてます」
「わたしも」
「僕もだ!速水刹那、だから君は気にする必要はない」
「ああ……。みな、ありがとう」


 おれの身分がばれたことは不覚だったが、おかげで結束は強くなったのだろうか。
こう捉えてくれると、おれとしてもありがたい。

 残念ながら、不動はどうにもできなかったが……。


「それでは当初の予定通り、何人かで分かれましょう。今いない三人は考えずに」
「そうだな……三人ずつ別れよう。一組がこの体育館。もう一組が一階。二組は二階でそれぞれ分かれて行動しよう」
「オッケー。分かったぜ」


 花月の声を合図におれたちは近くにいた者同士で、三人の組を作り始めた。

まず……


「速水刹那、僕と一緒に行こう!」
「ああ」
「刹那くん、わたしもいいかな……?」
「ああ、一緒に行こう、安積、米倉」


一組目はおれ、米倉、安積。


「よーし!おれたちは二階行くぞ!」
「は、はい……京くん」
「はは。暴れて怪我すんなよ?」


二組目は花月、東雲、笹川。


「それでは私たちはこちらを調べましょう」
「りょーかい」
「ええ。いいわよ」


三組目は北条、間宮、アヤメ。


「なんだぁ?野郎ばっかりじゃないか、ここ!!」
「いや……か?」
「そりゃ、オレとしてはレディの一人や二人は」
「御剣隼人、文句を言うな!!」
「けっ。わーったよ。行ってやるさ男どもと!!」
「あはは……。それでは、僕たちは一階を探してみますね」


四組目は御剣、大山、石蕗。

 これで全員分かれたな。


「もう一度言う。犯人を見つけても決して深追いするな。何かあったら、必ず他の組の人間にも知らせてくれ。一通り調べ終わったら、ここに集まろう」
「はい」
「それじゃ、探索を開始するぞ!」


 安積の言葉に一同は頷き、早速割り当てられた場所に向かう。

 出口はあるのか?ここはどこなのか?一体、何があるのか?
おれたちには知らなければならないことが多い。


(……みな、無事でいてくれ)


 先ほど出で行った三人の無事も祈りつつ、おれは警戒をしながら安積と米倉を率いて二階への階段を上っていった。