二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: original ダンガンロンパ 参照100越え感謝 ( No.38 )
- 日時: 2012/01/12 17:21
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
「速水刹那、大丈夫か!?今モノクマが飛び出していったぞ!?」
「ああ、大丈夫だ。安積、無事か?」
「僕はこの通り……っ。わ、悪い!」
部屋に駆け込んできた安積が米倉の姿を見た途端、慌てて体を回して部屋を出る。
心なしか、耳まで真っ赤になっているようだ。
「あ、闘真くん」
「す、すまない。そ、その……やましい気持ちはないんだっ!ただ、僕はそういうのがに、苦手なだけでっ!!」
「分かった。米倉、それを置いて他の場所も探索しよう。気になるなら、後でみなを呼んで取りにいけばいい」
「うん」
米倉が洗濯バサミで洗濯物を元の位置に干し直している間に、おれは部屋の外で途方にくれていた安積に向かう。
おれの予想が当たっていたらしい。
安積は真っ赤になった顔で、その場にうずくまっていた。
「安積、大丈夫か?」
「あ、ああ……すまない。心配をかけて」
「かまわない。米倉が出てきたら今度は向かい側の扉を調べよう」
「……分かった」
それから待つこと、数分。
おれたちは米倉と合流すると向かい側の扉の中を調べ始めた。
ランドリーの向かい側の部屋は、焼却炉らしい。
ちょうど一昔前のパン焼き用のオーブンのようなものが部屋の八割を占めていた。
「すごい火力だな」
中を確認しようと炉の蓋を開けた途端、吹き出す熱風におれたちの髪がかきあげられる。炎の温度は数百度に及ぶのだろう。熱風の中では、青い炎が揺れていた。
どうやら、この炉の中で轟々と燃え盛っている炎によってゴミが処理される仕組みのようだ。
「常に起動しているとは、なんてエネルギーの無駄遣いなんだ!もったいないじゃないか!」
「えーと……でも、点火時間は決まってるみたい」
「決まっている?」
「うん。ほら、この紙に書いてあるよ。焼却炉の点火時間は当日の朝9時から10時、夜の9時から10時の2時間だって」
「なるほど。あの“入寮式”からまだそんなに時間は経っていないから……それで点火しているわけだな」
「ああ……」
この話は覚えた方が良さそうだ。
おれは頭に今のことをたたき込むと、念のためもう一度焼却炉の蓋を開けた。
やはり、ここも最近使われたらしく、ホコリは全く被っていない。
使ったとするなら、当然おれたちをさらった犯人しか考えられないが……妙に引っかかるな。
「速水刹那、どうかしたか?」
「いや、なんでもない。次の探索に向かおう」
「うん」
天井に取り付けられたモニターと監視カメラを一度睨み、おれは頭を振る。
そして、いくら推論を立てても混乱するだけだと言い聞かせてから、おれは二人に先立って部屋を出ていった。
次におれたちが赴いたのは、扉を出て右に続く通路、一階〜二階の階段の真っ正面に延びた通路の先だった。
途中、右手の扉は鍵がかけられ、突き当たりの上り階段も鉄格子が下りていて調べることはできなかったが、代わりに二つのものを発見できた。
「エレベーターがあるね」
「だが、動かないぞ?」
「上り階段に鉄格子が下ろされているからな。動いても仕方ないのだろう」
おれは閉じられた三階に続く階段とその後ろにあるエレベーターを見比べながら、一呼吸置く。
「……つまり、今は一階と二階しか行けない。そういうことだな」
そう考えると、犯人はこれより上の階にいると考えて良さそうだ。
おれは体を回し、更に階段から伸びている廊下の先を見る。
「あれは……洗面所か」
行き止まりになっていたそこは、男、女を表したマークのある扉が並んでいた。
米倉と安積を呼び、男女に別れて洗面所の中に入る。
トイレはどこにでもあるような洋式の水洗のものだった。しかし、赤紫色の光に照らされているためか、おどろおどろしい印象を与える。
「米倉、なにかめぼしいものはあるかっ?」
「なにもないよーっ。普通のトイレみたいー」
女子トイレにいる米倉の返事にとりあえず安心し、おれはもう一度注意深く観察する。
水は流れる、トイレットペーパーも十分。
洗面台に付けられた石鹸液も満タン……。床も綺麗に掃除されていてホコリ一つ見当たらない。