二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: original ダンガンロンパ 参照100越え感謝 ( No.39 )
- 日時: 2012/01/12 17:27
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
「ずいぶん綺麗にしてあるな」
「ああ。僕もそれは思った。犯人は掃除好きなのか?」
「どうだろうな……ん?」
おれは洗面所の下、本来なら詰め替え用の石鹸液や掃除用具が入っている場所に、ぽつんと小さく置かれた紙束に手を伸ばした。
「速水刹那、どうした?」
「これは……」
折りたたまれた紙を広げ、浮かび上がった図におれは息を飲む。
『希望ヶ峰学園第79期生学生寮 見取り図』
紙の上にはパソコンで打ったような書体で、そう書かれていた。全ての見取り図を確認し、一階、二階の構造を照らし合わせる。
「まさかな………」
確認を終え、おれは思わず目を見開いた。
ここにある見取り図は、おれたちが確認してきたこの建物にほぼ一致していた。
校門にいたはずのおれたちが、一体どうして学生寮に運ばれ、閉じ込められたかは今だに理解できないが、もしこの見取り図が“本物”であれば、ここは間違いなく希望ヶ峰学園の学生寮ということになる。
「馬鹿な……。ここが……希望ヶ峰学園内、だと?」
「そうらしいな……」
安積もおれと同じように目を丸くして見取り図を眺める。
無理もない。遠くへ連れ去られたならまだしも、まさかこの学園内で事件が起こっているとすれば、ただ事では済まないはずだ。
しかも、15名をさらい、こんな風に閉じ込めたことを思えば、犯人が相当力を持つことは容易に考えつく。
すると、おれの頭にとある文字が浮かびあがった。
『希望ヶ峰学園が隠蔽した”ある事件”』
おれがここに来た目的。
学園が隠蔽し、一般に公開されなかった事件。
こう考えたくないが……おれたちはこの事件に巻き込まれたのかもしれない。
「速水刹那、なにか思い当たることでもあるのか?」
「いや……。そろそろ戻ろう。みな、待っているかもしれない」
安積を信用してないわけではないが、あくまでこれはおれの推測だ。口にすれば、だれもが一刻も早く出たいと思うだろう。そうなれば、間違いなく犯人の思い通りだ。
例え真実であったとしても、決して口に出してはいけない。
最悪の可能性を胸に秘め、洗面所を出る。
それから、おれは安積と米倉と共に待ち合わせ場所へと戻っていった。