二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- original ダンガンロンパ 第二章 ( No.45 )
- 日時: 2012/01/16 20:39
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
小ホールには既におれたち以外の全員が戻ってきていた。
だれもが待ちくたびれていたのか、一部を除いて小ホールの床に座り込んでいる。
「すまないな。遅くなった」
「いいってことよ」
「一番忙しいところだったんじゃない?それに貴方のことだから、何か見つけたとか?」
「ああ。それは後で話そう」
おれは別の視線を感じ、舞台の方へ顔を向ける。
よく見ると舞台袖には不動の姿もあった。
「ふん……。いちゃ悪いか?」
「いいや。今は一つでも情報があると助かる」
「ふふ。速水は大人ね」
アヤメが笑うのと同時に不動の顔が渋くなる。
おそらくは、遠回しに馬鹿にされたと思ったのだろう。
肝心のアヤメの本心は分からないが。
「みんな、いいか?報告会を始めるぞ」
「はいはい。分かったよ、とーま」
「笹川辰美、僕を変な名前で呼ぶな!」
「いいだろ?コミュニケーションってやつだから、喜べ」
「よくあるか!」
「とりあえず、痴話喧嘩はそこまでにして」
「「だれが痴話喧嘩だ!!」」
御剣の言葉に安積と笹川が異口同音に叫ぶ。
その息のぴったり具合にはおれも含め、みな驚いていた。
もっとも、一番驚いたのは当人たちで、両者ともども困ったように頬をかいている。
「と、取り敢えず……は、始めるぞ!」
「おう……」
「それじゃ、まずわたしからね!わたしは、まーくんとまゆゆんと一緒にあっちこっち歩き回ったよ!」
「勝手にてめぇらがついてきただけだろ」
「なにを!?」
「まーまー、落ち着け眞弓ちゃん。で、歌音ちゃん、何か見つかったのかい?」
「えーと……まーくんについていくだけだったから、実はあんまり見てなくて……だれもいなかった、っていうのと、出口が見つからなかったってくらいかな」
「では不動、何かなかったか?」
「特に何もない」
「はぁ?そんなんありかよ!?」
「事実だからそう言ってんだ、カマ野郎」
「なっ、なんだとー!?」
「はいはいストップストップ。そんなことしてたら、体力の無駄だぜ」
だれも見かけなかった……。
つまり、おれたち以外に誘拐された人間はいない。
そういうことだな。
不動に今にも飛び掛かりそうな花月を笹川がなだめているなか、次に話し始めたのはアヤメだった。
「ここにも出口らしいものはなかったわ」
「あったのは、バスケットボールやバレーボール、得点票とかと……」
「後はマットが数枚と人数分のパイプイスくらいですわ」
「体育館……みたいなもの、か」
「そうね。でも、この舞台小さいけれど結構凝ってるわよ。照明も取付られるし、ワイヤーも見えたわ」
「ワイヤーって?」
「ほら、ミュージカルで人が宙に浮くものがあるでしょう?あれに使われるものよ」
「へー、そんなものがあったんだ!じゃあ、あれって魔法で飛んでいるんじゃないってこと?」
「当たり前だろ、マヌケ。てめぇの頭はメルヘンでしか構成されてねぇのか?」
「えへへ、どういたしましてっ」
「…………」
「…は?雅、お前、けなされてるんだぞっ!?」
「え、そうなの?」
「ええ。どう考えても、今のは褒め言葉ではありませんわ」
「……とりあえず、小ホールにあったのは以上のものか?」
「うん、それくらい。でも、ワイヤーや照明器具はここにはなかったよ〜」
「おそらく、あるとしたら二階ね」
二階に小ホールに繋がる場所がある……か。
おれは先程の見取り図を思い返す。
あの見取り図が正しいのならば、小ホールの真上に当たるのは階段を上がってすぐ右にあったシャッターの先になるはずだ。