二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: original ダンガンロンパ アンケート実施中 ( No.56 )
日時: 2012/02/26 00:14
名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)

「これが食堂か!」


 扉を開けると、まずオレンジ色の暖かい光がおれたちに降り注いだ。
廊下が薄気味悪い蛍光色の光で照らされていただけあって、それだけでずいぶん心が休まる気がする。

 御剣の言っていた通り、食堂は15名で使うにはずいぶん広かった。ザッと見る限り、小ホールとあまり変わりないかもしれない。

 おれたちを照らす光は天井面に直接つけられた円盤上のシーリングライト(リビングルームなどに取り付けられているあれだ)から発せられているものだった。

その光の下には白いテーブルクロスのかけられた長テーブルが部屋を半分に切り分けるように置かれている。
テーブルには、青いガラスの細長い花瓶が左右に一つずつあり、今が春の季節のためか、花瓶には菜の花が一本ずつささっていた。
そして、イスはどれも背のついた木製のもの、床はフローリングで、白い壁には果物の絵画が縁に入れて飾られていた。

 ずいぶんとアットホームな雰囲気だな。
おれはそれも犯人の策略ではないかと考えながら、先に走っていった安積に遅れて長テーブルに近づいていった。


「おぉ。お前さんたち、ようやく来たのか」


 長テーブルに近づいたおれたちに、最初に話しかけてきたのは御剣だった。紫色の液体が入ったワイングラスを傾け、テーブルに組んだ足を載せて座っている。


「御剣隼人。一体何を飲んでいるんだ?」
「見ての通りジュースだよ。ジュ・ウ・スだっ!」
「ああ……。酒が飲めない代わりか?」
「あったりまえだろっ! じゃなきゃ、どうしてわざわざワイングラスにジュースなんか入れるんだ!?」


 ドンッとテーブルを叩き、御剣は深々とため息をついてカウボーイハットを下げる。
気分だけでも酒が欲しくてしょうがない、ということなのだろう。


「まったく……少しは静かにできませんの?」
「はは、ごめんよレディ」
「ってか、酒にこだわり過ぎだろ。あんなまずいやつよりかお茶の方が断然上手いと思うけど?」
「るせぇ、お子ちゃまはすっこんでろ」


 呆れたような呟き、おそらくは北条と花月のものか。御剣が首を向けた先を見ると、奥には予想通り北条と花月が間をあけて座っていた。
 北条の前にはティーカップ、花月には湯のみがそれぞれ置かれている。
いかにも、彼ららしい飲み物だ。


「他のみなは?」
「奥で昼食の手伝いをしていますわ」
「不動はいないけどな」
「で、君たちはどうしてここに座っているんだ?」
「私はお料理なんてしませんわ。そもそも、どうして私があんなことをしなくてはいけないのです?」
「ははー……。さすがはお嬢様だ。オレは自慢のトークで歌音ちゃんを口説いたら眞弓ちゃんに怒られてねぇ。追い出されたのさ」
「おれはつまみ食いして、笹川に追い出された」
「……そうか」


 なんともコメントしづらいので、それだけしか言えず、おれは奥の厨房に視線を移す。
このアットホームな食堂に合わせてか、厨房の方もフローリングの床の上に設置されていた。

 出来上がった料理を置くカウンターを越えた先には、ぐるりと周りを取り囲めるキッチンと、色とりどりの野菜や果物といった食材が箱の上に積み上げられている。


「……ふむ。さすがは希望ヶ峰学園だ。すごいな」
「ああ」


 おれと安積でカウンターの傍に向かい、思わず頷く。
より近くで見ると、キッチンの奥は冷蔵庫や食器用の棚はもちろん、調味料専用の大棚もあることが分かった。

15名の寮にしては、充分過ぎる設備だといえる。


「あ、刹那くん」
「あづみんもいるよっ!」


 カウンターに近い米倉と雅がおれたちに気づいたのか、こちらに駆け寄ってくる。


「それは…サラダか?」
「うんっ。グリーンサラダだよ〜。みーちゃんとわたしが作ったの」
「ドレッシングは優くんが作ってくれたんだよ。今はメインデッシュの味つけとデザート作っているの」
「へぇ。僕たちに手伝えることはないか?」
「そうだね……。そういえば、まだ食器を出してないからあるからそれを運んで欲しいな。フォークとか、ナイフとか」