二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- プロローグ‐2 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/28 21:20
- 名前: 魔女の騎士 ◆klvlLaCD9M (ID: .7T494ht)
しかし、この件に関しては問題がある。
FBIの者は一部を除き、コードネームを使用している場合が大半で、仲間内でもその本名も知らない。
つまり、当然外部の人間ならば、なおさらおれがFBIの人間であることを知るはずがないのだ。
だが、希望ヶ峰学園のやつらはおれの名前を知っている。
となれば、彼らは腕利きのハッカーでも、真っ青になるようなプロテクトが幾重にもかかっているFBIの内部情報にアクセスしたとしか考えられない。
しかし、アクセスされた経歴もないため、いまだにどこからそんな情報が流れたのか、はっきりしていなかった。
現時点で言えることは、希望ヶ峰学園は本当に一国かそれ以上の力を持っている。それだけだった。
だからこそ、おれ自身が調査する必要がある。
そう思い、おれは上司との間に三つの条件を約束して、入学までこぎつけた。
一つ目の条件は、どこからおれの情報が漏れたのか突き止めること。
二つ目の条件は、学園内にいるという“超高校級の怪盗”を捕まえること。
三つ目の条件は……希望ヶ峰学園が隠蔽した“ある事件”の真相を明かすこと。
ここで、もっとも重要なのは三つ目の条件だ。
上司の話によると、どうやら希望ヶ峰学園の生徒の中に行方不明になった者がいるらしい。
学園側は退学処分になったなどと話しているが、退学になった生徒は実家に帰って来ず、連絡も取れない状態だと聞いている。
なによりも怪しいのは、学園側の態度だ。
退学処分といえば、実際長い時間をかけて決められるものだが、一時、一週間という短い期間で十数名の退学処分者が出ている。
おかしいのは明らかだ。
以上の件があって、おれは中学校以来の学生生活に身を置くことになった。
ただ、ずいぶん久しぶりの学校生活に、慣れるかどうか、不安はある。
「他のやつらと上手くやれたらいいが……」
希望ヶ峰学園に選ばれる生徒達は本当に、その分野で知らない人はいないほどの超一流高校生ばかりで、事前にその選抜メンバーについては調査していた。
実際に調べてみたところ、やはりどの選抜者も平均値から大きく飛びぬけた知名度も実力も高い“超高校級”の面々ばかりだ。
例えば、“超高校級のピアニスト”として入学するのは————幼い頃から各国の音楽家や人々を虜にしてきた名演奏を奏でているということ。
“超高校級のゲーマー”として入学するのは————世界ゲーム大会で何度も連勝を重ねてきたという存在。
“超高校級の医者” として入学するのは————どんな病気でも直すという名医と聞いている。
他にも、『歌舞伎役者』、『お嬢様』、『ボクサー』、『力士』、『ホスト』、『大和撫子』、『ソプラノ歌手』、『料理人』、『俳優』、『弓道者』、『数学者』など、そうそうたるメンバーがそろっていた。