二次創作小説(映像)※倉庫ログ

〔過去編01〕.Meet. ( No.9 )
日時: 2012/01/10 13:28
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)




これは10年前。



そう、あたしと吹雪くんとの出会いの話——— 。










*




「どしゃ降りになってきたぁ」



しまった、帰り損ねた。

始業式そうそう朝から雲行きは悪く、学活が終わる頃にはパラパラと雨が降り始めていた。

あたしが帰ろうとした時、先生に呼び出されて何かと思えば、
クラス議員をやってくれないかと頼まれた。




『守山なら成績もいいし、みんなから信頼もあるだろうから。頼むよ』



勝手な思い込みであたしを議員にしないでもらいたい。



あたしはどちらかと言えば成績はせいぜい中の中くらいで、

集団でいるのは好きじゃない。だから一人でいることの方が多くて。



頼むよなんて言われて断ることもできない感じだったから成り行きで判りましたなんて言ってしまったけれど。


そんなこんなで先生から名簿やら日誌やらを押し付けられて、結局帰る頃にはどしゃ降りになっていた。




「はあ、何で断らなかったんだろう。」

唯一友人と呼べる荒谷さんと真都路さんにはいつも
『いつ騙されて後悔したっておかしくないんだべ?』
て言われているからこそ、先生のお願いを断れなかったことを後悔する羽目に。



「あたしってこういう性格だから馴染めないのかなあ」


中学生になってから一気に友達が減ったのは実際避けられない事実だし。

今年こそ、なんて考えたところで性格がこれじゃできそうにないよね。



昇降口は雨音と風を受けて、誰もいないことを主張していた。




「うわぁ、雨ひどいねえ」
「ふあっ」


足音ひとつしなかった学校から、あたし以外の声。


「驚かせちゃったね。」


振り向くと、そこにはかの有名な吹雪士郎くんがいた。






           ( 昇降口にて出会う。 )