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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 〔過去編02〕.With your voice. ( No.10 )
- 日時: 2012/01/10 13:50
- 名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)
『頑張ってね吹雪くん!』
『早く帰ってきて下さいねえ』
イナズマイレブンに選抜された吹雪くん。
みんなで門の前まできて応援するの。
あの日、もしあたしが昇降口で吹雪くんと出会わなかったら
あたしが吹雪くんを好きになることはなかったかもしれない。
そして、あたしがこんなにも胸が張り裂けそうになることもなかったかもしれない。
昇降口で初めて出会って、初めて話して、
同じクラスだと知って、会えば必ず立ち止まって話したりして、
吹雪くんがしばらく帰ってこない間、あたしはどうすればいいの?
もしかしたらもう、吹雪くんは2度と帰ってこないかもしれない。
みんなが笑顔で送り出す中で一人、俯いて泣くのを堪えるあたしの頬を
吹雪くんは不意につねって フフ、なんて笑うけど
その笑顔が痛くてたまらない。
「どうしたの?」
あたしを覗き込む吹雪くんが涙で霞んでよく見えないよ。
本当は、『いってらっしゃい』て笑顔で言いたい。
でも言えないよ。君はもう帰ってこないかもしれない。
行かないで、行かないで、お願い。
「守山さん?」
ジャージの裾を引っ張っているのに気がついて、はっとする。
「あ、ごめんね。頑張って、」
無理して笑顔を作るのがいけなかった。
完全に不自然だ。吹雪くんに迷惑がかかっちゃう、
「ねえ、きっと君も一緒にイナズマイレブンの仲間として入れてもらえるようにするよ。」
「え?」
「だから、泣かないで。」
「泣いてなんか…っ」
あたしの頬をそっと親指で拭う。
やめて、離れがたくなってしまうよ。
「ふぶきーっ!そろそろ出発の時間だぞー!」
「あ、うんキャプテン。今行くよ。」
それじゃあ、といって吹雪くんはあたしたちの前から姿を消した—— 。
( 君の声と共に )
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