二次創作小説(映像)※倉庫ログ

56.Chain ( No.106 )
日時: 2012/02/17 18:26
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)





「都、答えてくれ。なぜお前がフィフスにいるのか。」



円堂くんの低い声が洞窟に響く。


あたしは壁山くんと風丸くんに捕まった後、この洞窟に連れられた。
当然、円堂くんたちが居るという事は雷門の生徒もいたわけで。



「なぜ?…君たちにあたしの気持ちが判るとでも?」

「都、君をずっと探していたんだ。僕も、みんなも」

「違う…君たちが探しているのはあたしじゃない!」




君が探しているのはあたしじゃない。

今のあたしなんかじゃないでしょう?
こんな真っ黒に汚れたあたしを、君たちが探すわけが無い。



だってそうでしょ?あたしはあの日吹雪くんを裏切った。

あたしは君の気持ちを踏みにじったのに 何故?


「あたしの気持ちも知らないのにあたしの心に入ったりしないで!!」
「守山!!」



ばしっ


そんな音と同時にあたしの頬は痛みを走らせる。



「…ふざけてんのか?お前は悲劇のヒロインとでも言われたいのか?フザケんじゃねえ」



無言であたしの話を聞いていた不動くんがあたしの胸倉を掴む。



「お前をこんなにも心配してる奴がいるのに、お前は気づきもしねえのか!?なめんじゃねえぞ!」



知ってたよ


皆があたしや豪炎寺くんを心配してたことくらい。


だけど



心の奥底に仕舞い込んで封印した感情の鎖が切れるのが怖かった。


真紘を救えなかった絶望が、恐ろしいくらいあたしを疼いたの。
だからもう、手を伸ばすのを諦めた。
あたしたちを救ってくれる光さえ望まなくなった。


気づいて欲しかった、本当は。

寂しかったの、ずっとずっと。






            ( 感情の鎖を開放しよう )