二次創作小説(映像)※倉庫ログ

60.I do my best. ( No.110 )
日時: 2012/02/18 17:28
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)





プルルル、プルルル、


ケータイの奥で、発信音が聞こえる。


4コール目でプツ、と音がしてすぐに豪炎寺くんの声が耳に届いた。



『どうした』
「あ、ちょっと話があって」
『ああ』




「あたし、フィフスセクターを抜けようと思う。」

『…吹雪か?』
「伊達に6年も一緒にいたわけじゃないね、…うん、正解。」



豪炎寺くんはいつも、何も言わなくたってあたしの気持ちを悟ってくれた。
あたしの為だけじゃなく子供たちの未来のために役を買ってまでフィフスを潰そうと励んでくれた。


優しい心を持った豪炎寺くん。

巻き込んで、最後には自分から逃げるあたし。


それでもあたしは後悔しない自信があるよ。



真紘はあたしが千宮寺を殺してまで復讐することを望んでなんかいない。


だからあたしがここに残る意味はもう無いんだから。



『そうか…。お前が決めたなら、何も言わない。』
「あのね、豪炎寺くん」
『何だ』
「あたし、豪炎寺くんのことちゃんと好きだったよ」


沈黙が走る。


嘘じゃない。真実。


『ふ、どうしたんだ?都は吹雪一直線だっただろ』

「豪炎寺くんがあたしを好きだったのと同じ気持ちでちゃんと好きだった。」
『…』

「ありがとう」




伝えきれない。

最後まで、君の気持ちを受け取る事はできなかったけれど
ずっと忘れない。あなたに救われた事も、あなたを好きになったことも。







             ( 頑張るから、あたし。 )