二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[番外編]幸せの方程式。 ( No.123 )
日時: 2012/02/20 16:37
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)





「妊娠…ですか」
「ええ、おめでとうございます。3ヶ月ですよ」


そっとお腹を撫でる。


あたしのお腹の中には、あたしと吹雪くんの子供がいる。
こんなことって、あっていいのだろうか?


あたしは診察室を後にして、携帯で吹雪くんに電話を掛ける。



『もしもし』
「あ、士郎くん。あのね」


妊娠だって。



そう告げると、吹雪くんは何も言ってくれなかった。

え?あれ、聞こえなかったのかな?


「士郎くん?」
『え…あ、…本当?!』
「う、うん」


何だ、びっくりした。ちゃんと聞こえてたんだ。


『そ…そっかあ。僕らの赤ちゃんが…』
「双子かもしれないって言われたよ」
『双子!?』


双子といえば、吹雪兄弟。

アツヤくんのことはよく判らないけれど。
吹雪くんは電話越にもう一度そっかと言うと、声を低くしてあたしに忠告した。



『都、無理するのはダメだよ。君はもう1人の体じゃないんだから。』

「お母さんみたいなこと言うね。判ってますよ、あたしの旦那さん」
『今から迎えに行くよお嫁さん』
「え、雪村くんたちはいいの?」
『僕の大切なお嫁さんが事故にでも遭ったらいやだもの』



フフ、と笑って吹雪くんは電話を切った。



幸せ=愛
愛=幸せ


そんな方程式があるのならば、あたしにはきっと解けない難問だと思う。


解けてしまっては味気ない。
解けないほうがいいって、あたしは最近思う。

幸せの方程式は、運命の人と出会って初めて始まる計算式。


答えは出なくてもいい。

ただ、2人で1つ1つ間違えずに考えていければそれでいい。



ね、あなたもそう思うでしょ?




             ( 幸せの方程式。 )