二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[My world]005*寂しいと泣いている。 ( No.157 )
日時: 2012/02/28 17:27
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)




「花弥」

ケータイを耳に押し当てる。

若干の苛立ちも、いざ花弥の家の前まで来てみると消えてしまった。


ただあるのは会いたい気持ちだけ。
妙に顔がみたくて、心配で。

なんでさっきの電話をよこしたかなんてもうどうでもいい。



『…どうしたの?』


また泣いた後のような掠れた声。



「外」
『え?』
「外にいる。」


2階のカーテンがゆっくりと開かれてゆく。

やけにスローモーションに見えた。


花弥は俺の姿を目に映すと窓を開けてケータイを耳から離す。


「アッくん…」


ほら、やっぱり泣いてた。


花弥の瞳から流れる涙が電灯の明かりに反射して光る。



「花弥」


抱きしめたい。

この腕に、しっかりと。
何でこんな感情が溢れ出るんだろう?



「アツヤ…寂しいよ」



ああ、そうだった。

花弥は1人が嫌いなんだ。


花弥の家に明かりは灯っていない。
つまりあいつは今1人ぽっち。


「アツヤ、一緒にいて…」




             ( 寂しいと泣いている。 )