二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[My world]007*世界のどこかで。 ( No.165 )
日時: 2012/03/04 01:07
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)





「アツヤ、私たち…別れよう」



花弥の悲しそうな顔が目の前にある。

花弥は有無を言わせず、俺の唇を塞いだ。
辺りは町の明かりが見える景色の良い帰りの坂道。





*


部活が終わった帰り道、いつも通りの坂道を花弥の手を握りながら歩く。


かき氷ののれんが掛かった店を通り過ぎて、公園を通り抜ける。


「花弥、こんど祭いこーぜ」

学区掲示板と書かれたボードに張られた夏祭りのポスターを見て花弥に言う。


「…うん」
「どうしたんだよ」


俯いて顔を上げようとしない。

近くのベンチに花弥の座るスペースを十分にとって腰を下ろす。
花弥は座らずに、俺の前に立つと勢いよく抱きついた。


「おい、花弥?」
「アッくん」
「何だよ」

「キス、しよっか」


俺の頬に右手を添えて泣きそうな目で見てくる。


最近のお前は、行動が読めない。
笑ったり、泣いたり



少しずつ花弥の顔が近づく。



「アツヤ、私たち…別れよう」






            ( 世界のどこかで。 )