二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[My world]009*光る雲に願った。 ( No.169 )
日時: 2012/03/04 21:01
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)



--------- 思い出したくもない、若き頃の俺たちの光景。



重たい瞼をあげて目を開くと、いつもどおりの白い天井が見えた。


「…またあの夢か」



花弥と別れた最後の夏の夜の夢。
花弥が最後に姿を見せた夢。


あの日、あいつは俺に別れを告げると風の如く居なくなった。


この町からも。




俺は今、24歳。

士郎と一緒にプロリーグに入り、白恋のコーチをしている。


「アツヤ〜、早く起きないと遅刻しちゃうよー!」


部屋の外からパタパタと忙しそうに聞こえるスリッパの音。
そしてガチャリと開けられたドアに、洗濯物を抱えた女の姿。


「アツヤー!おーきーてー!」

「起きてるって」
「なら早く起きて支度する!」

「うっせーなー朝から」


ベッドから体を起こして声の主の頭をガシガシと撫でる。

細くて綺麗な髪がボサボサになるのを「やめて」と言って手を叩かれた。







            ( 光る雲に願った。 )