二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[My world]011*祈って今日も散ってゆく。 ( No.183 )
日時: 2012/03/09 12:52
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)
参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/





『—— アツヤ、久しぶり…かな?



   このカセットテープを聞いてる頃には、アツヤは理人ちゃんと幸せに暮らしてるかな?


   …ごめんね、突然で驚いたよね。
   アツヤにあの日別れを告げて逃げたけど、嫌いになった訳じゃないよ。


   今も、今でもずっとアツヤが大好きだよ。


   まだアツヤにはどうしてこのカセットテープを送ろうと思ったかは、秘密にするね。

   これから、ゆっくり話していくから どうか我侭かもしれないけど聞いてほしいな。




   じゃあ、今日はもう終わりにします。 —— 』






花弥の声が部屋に響いた。


どういうことだ?

何で花弥は理人を知ってるんだ?



部屋を出て、士郎のいる1階へ下りる。
ソファでスパイクを手入れしている士郎が俺に目を向ける。


「おい、士郎。どういうことだ」

「え?」


「これだよ、このカセットテープ!」



俺が投げつけたカセットテープを慌てて受け取った士郎の目は混乱したように見えた。




「…聞いたの?」

「ああ、花弥の声だった」
「まだ早いって僕言ったでしょ?!」

「何がまだ早いんだよ、俺に判るように説明しろよ!」

「……」


何で黙るんだよ士郎。


答えろよ、何で花弥なんだ。何で花弥は理人を知ってる?




「……これが花弥ちゃんの願いだったんだよ」

「は?」
「…アツヤが知るのには過酷すぎる。話せる時までもうちょっと待ってあげて。
  それが今、僕がいえる事…」




判らないことだらけなんだよ。


花弥が俺に別れを告げた理由も

花弥がこの町から姿を消した理由も

花弥がなぜ理人を知っているかも


なぜ士郎が花弥の真意を知っているかのような口振りをするかも。



いつか、知ることができるのか?


それは、俺が悲しむから誰も教えてくれないのか?








           ( 祈って今日も散ってゆく )