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私の中には、2つの予感がよぎっていた。



“楽しい”予感
“嫌”な予感。




嫌な予感がある場合、その前に感じていた“楽しい”予感は消えると思われがちだ。


それは今、この瞬間の私もそう思っていた。



しかし違った。私の中の2つの予感はどちらとも劣ってなどいない。
期待感も消えてはいない。

つまり、ああ　どういう事か？


今、私の目の前で豪炎寺が落下した都を庇って抱きしめる状態が続いている。


それは私が原因であり、都の原因でもある。





確実に





歪が生じ始めていた。




私の恋心に亀裂が入った。
音を立てて。



もし、もしも、だよ？




これを機に、2人に恋、ならびに愛などろいう名の物質が出来てしまったら？






許さない。
そんなことにはさせない。


豪炎寺は私のもの。



都には渡さないんだから —— 。








　　　　　　　　　　　　　　(　今日の色は“蝋色”　)