二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[My world]015*雲は流れどこまで行くの? ( No.278 )
日時: 2012/03/29 14:19
名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/




「アツヤ、花弥に会いたい?」



目の前で正座して座る理人。

突然の発言に、言葉を失った。



このカセットテープを見つけ、士郎を問い詰めてから1ヶ月を過ぎた頃
俺は士郎の言葉を無視してやっと初めて聞いた花弥の真実。
そして今になって会いたいかと聞いてくる、理人。



「…なんで」

「会いたいんでしょ?花弥も会いたがってるよ」
「会いに行けば何か変わるのか?」

「過去は変わらないよ。でもあの時は仕方なかった。花弥だって辛かったんだよ」



お前が、何を言っているのか俺には理解できない。

会いに行く、今更? 





会いたい。会いたい。会いたい、でも会えない。


どんな顔して会えばいい?

一度は花弥など忘れて恋に落ちた理人を裏切って

どんな顔をして会えばいい?



「判ってるよ、判ってたよ。私じゃ花弥に勝てないって。無理だって。




   花弥に頼まれてアツヤを支えてた、カセットテープを聞いたならもう知ってるでしょ?

   …でも、好きになってしまった。アツヤが好きだった。



   私をちゃんと好きになって欲しかった。」


「俺はお前がちゃんと好きだった」


「違う、それは、違うよアツヤ。アツヤは花弥を忘れるための隙間を、
   私で埋めようとして錯覚してしまっただけ。」




隙間、錯覚


花弥を忘れられなかったから、理人で埋め込もうとしていた想い







なに…してんだろう。

理人はちゃんと判ってた。利用されていると、気づいてた。
でも理人は利用されていると気づいていても、俺を支えてくれた。


卑怯者だな、俺。




            ( 雲は流れどこまで行くの? )