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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- [My world]016*悲しい気持ち分つ夜に。 ( No.279 )
- 日時: 2012/03/29 14:38
- 名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
- 参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/
ごめん、ありがとう理人
こんなにも卑怯で、残酷で、最低な男を好きになってくれて。
でも、これだけは言わせてくれないか。
理人で隙間を埋めようなんて思った事は、1度だってなかった。
錯覚だとしても、ちゃんとお前を好きだという感情を抱いたことは沢山あった。
ありがとう。
俺は理人に教えられた病院へと駆け込む。
花弥はまだ生きている。
それだけで嬉しかった。
もう1度会って…会って、何を話そう?
ごめん、辛かったよな?
馬鹿、一人で抱え込もうとして?
愛してた、愛してる?
ちがう、全部違う。
304号室の下に書かれた「佐藤花弥」の名前。
静かにドアを開けると感じた鼻を突くような消毒の匂い。
士郎はそこにいた。
丸椅子に腰掛け、花弥の痩せこけた手を握り締めている。
「聞いたんだね、アツヤ。全部、全部。」
「ああ」
ゆっくり振り返り、俺の目を真っ直ぐと見つめた士郎。
「受け入れられる?この、真実。この、現状を。」
喉が痞えた。
ふるふると身が震える。
「受け入れる。俺は…花弥をもう、この手から逃がしたりはしない。支える」
「好きって感情だけで、本当に支えられると思うの?」
「支えてみせる。支えられる。」
士郎の顔がいつもの優しい笑顔に変わり、ホッとした。
花弥。
支えるから、俺。
支えてみせるから、俺。
お前の笑顔をもう1度、あの頃のように見せてほしいから。
( 悲しい気持ち分つ夜に )
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