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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- らっきーがーる!003* ( No.316 )
- 日時: 2012/04/02 12:21
- 名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
- 参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/
「ただ今帰りました・・・」
「灯様!びしょぬれじゃないですか!!」
「気にしないで。おばあさま達に見つかったら機嫌を損ねてしまうからお風呂に入るわ。」
メイドの加奈が私に駆け寄ってタオルを渡してきたのを受け取り、ある程度拭いたところで
歩き慣れた長い廊下を早足で歩む。
無駄に大きい灯の家。
居間へ足を踏み込むまでは誰も帰ってきた事を気づかない。
そこが救いでもあれば、悲しいという感情を抱くことさえある。
「傘をお持ち出来ず申し訳ありません。」
「加奈、昨日も言ったように敬語なんて使わなくてもいいのよ。」
加奈は灯が生まれてすぐに野々川家に引き取られてやってきた。
灯の世話役兼話し相手として共に野々川に住んでいる。
「・・・そうだったね、灯ちゃん。」
フワリと表情を柔らかくしたのを確認して制服のボタンを外す。
野々川家は代々呉服屋を営んでいて、全国的に有名な店らしい。
灯には関係のない話だけれど・・・。
「佐奈姉さんと葵兄さんはもう帰ってきてるの?」
「ええ、もうお部屋でくつろいでらっしゃるようだけど」
「そう・・・」
“失敗作”の灯と妹弟たち違う姉さん達は学生なのに地方への出張が多い。
顔を合わせることも最近は少ない。
もう半年くらい見てないかも・・・。
まあ、顔を合わせたところで嫌そうにされるのは目に見えて判るからワザと避けてるようなものだし。
「愛季兄さんは?」
「ああ…今日もお姿は見てないかな」
「燵と月子は?」
「勉強中よ」
後者に出した兄弟たちは皆、おばあさま達曰く“失敗作”。
( しゅうしょうがーる )
心の傷を意味する。
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