二次創作小説(映像)※倉庫ログ

燦灯歌 -sanbika- ( No.378 )
日時: 2012/05/01 22:56
名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/

(001)---分岐点1*/アルファ





バンッバンッ




誰もいない体育館に響くボールの反響音。

反響音と共に息を切らしたような音もまた、体育館には小さく響いている。





汗も拭わずひたすらバスケットボールのゴールへと腕を何度も振り上げる。
数分前には数人の仲間と共に同じような光景が見えたものだが、今は少女一人きり。


その少女は何度も悔しそうに顔を歪め、そして唇を噛み締めた。



「どうせ、そうなると思ったんだ」




ボロボロと流れ落ちる少女の涙。




「どうせ、私なんかでは無理だと分ってる」






“だから悔しい”

誰もいない分大きく響いた空しく滑稽な言葉たち。



しかし私に気づいていないだけ、本来の自分を曝け出しているように伺えた。
そんな少女に私は近づく。



「おい」
「…っ!」


振り返る少女の瞳に光はない。




まるで私のように。




                 ( アルファとバスケ少女 )