二次創作小説(映像)※倉庫ログ

My world企画! ( No.455 )
日時: 2012/06/30 13:42
名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
参照: 「この男。」シリーズが早くみたい。


My world企画 [夏の風物詩]その1




『みんなで百物語するだべさ!!』





すべては真都路の言葉で始まった---------------------。












         《 アパート 》







「これは私のお父さんの会社の人の体験談で・・・」




花弥は顔を青ざめながらシンとする暗い教室の真ん中に膝を抱えて話しだした。

俺たちサッカー部は1人ずつの蝋燭を消さないように息を潜めゴクリと唾を飲む。








「 Aさんは、転勤してきて会社の近くのアパートに引っ越してきたの。







 そこは築30年とそれなりに新しいアパートで、外観だって悪くない。
 近くには会社があって、スーパーがあって、駅もある。
 家賃だってお手頃だってことでAさんはすぐに入居した。



 Aさんの入居した部屋は、真夏なのに冷たい室内。

 でもジトジトとした空気。






 そしてその日の夜。



 眠っていたAさんはフと目が覚めて気がついた。





 自分以外誰もいないはずなのに聞こえる、トイレの流れる水の音--。

 Aさんは寝る前にトイレに入ったけど、それは何時間の前の話。
 当然その間トイレの水が流れ続けるのはおかしいと思ったAさんは故障かどうかを確かめるためにトイレへ向かった。





 ドアを開けたその時---------------------








 トイレには血だらけの女が立っていて、Aさんに抱きついたの。



 混乱したAさんは恐怖のあまり気絶してしまった。




 次の日、Aさんが起きてみると彼は布団の中にいた。
 『なんだ夢だったか。』

 安心したAさんは普段通り仕事場へ行って、普段通りにアパートへ戻ってきた。

 お風呂に入ろうと浴槽を洗うために風呂場へ向かったAさん。





 Aさんはあっと声を上げた。



 お風呂場に散乱した長い髪の毛
 そしてそこら中に飛び散っている赤い血痕----------


 昨日はこんなんじゃなかった。


 ましてや泥棒が入って人を殺していったとも思えない。




 恐怖に怯えたAさんは思い出したの。
 夢だと思っていた昨日の夜中トイレで見た血だらけの女を---。




 その日は怖さに耐え切れずに同僚の家に泊まって次の日新しい入居先を探しに行った。




 引越しの際に近所の人から聞いた話では、アパートができた年にAさんの部屋で殺人事件が起きて
 その部屋に住んでいた若い女の人が夜な夜な現れたりするらしいとのことだったそうです   」






花弥は話終わると蝋燭の火を息で消した。
隣に座る士郎は「怖いね〜」などと言うが、そうだろうか。


真都路は顔を強ばらせて次に話す番である士郎に視線を移す。



それに気づいた士郎は小さく息を吸って、話を始めたのだ。




@**企画其の1**<<友人が住んでいたアパート>>名無しさん参照