二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 木蓮 ( No.461 )
- 日時: 2012/07/01 20:49
- 名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
002話 [ 無謀と知っても ]
*卒業まで3日*
「卒業となると、イベントを起こしたくなるんだよねえ」
「イベントならそれに参加すればいいだけだろう」
「佐久間、参加するか?」
「いやしない。」
「や、そうじゃなくてさ。」
大川は机に頬杖をついて“3E打ち上げ会参加者記入用紙”と書かれた紙を眺める。
多分この打ち上げを主催するのは室長の山本だろう。
あいつは去年の春休み前日にも打ち上げだなんだと騒いでいた。
しかしあの頃はまだ卒業を控えていたわけではないので
人も集まらず、結局打ち上げは取り消しとなった。
改めて大川の持っている用紙を覗くと、クラスのほぼ全員の名前が記入されている。
「みんなとのイベントもいいけれど、先生にもお礼がしたくてさ、」
大川は少し悲しそうに顔を俯かせる。
そうだ。担任は俺たちを3年間見てくれていた。
クラス替えがなく、担任も変わらない。
だから大川がお礼をしたいと言うのもわかる。
実際、俺も源田も随分と世話になったものだ。
「やっぱり、今からじゃ遅いのかな」
「ねえ、それ、僕たちにも聞かせてよ」
「え?」
突然現れた、打ち上げの提案者である山本
きっと、用紙に俺と源田と大川だけが書かれていないのを気にして確認しにきたのだろう。
「先生にお礼、それいい企画だと思うんだよね!」
「え、いやこれ個人的な私の意見だし・・・」
「ドッキリでみんなからのメッセージと写真なんてどうかな?!」
「聞いてないし」
卒業まであと3日で準備が出来るかさえも分からない無謀な企画。
しかし山本の話を聞いていたクラスの奴らはもう企画一色。
写真部のやつがカメラを1台どこからか取り出し、全員集まってと声をかけた。
「準備いいな、あいつ。」
「はは・・・はあ。」
源田の言葉に無気力に笑う大川。
俺を含む乗り気でない2人も山本に腕を引っ張られ写真に映ることとなる。
( 無謀と知っても )