二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 木蓮 ( No.464 )
- 日時: 2012/07/02 07:53
- 名前: もずく・ ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
003話 [ 真っ直ぐな瞳が ]
*卒業まで2日*
放課後のざわめき
校庭に響き渡る運動部の掛け声
・・・・・クラスに飛び交う罵声。
「だから!もう時間がないからあれ程昨日メッセージ持ってくるようにっていったでしょ僕!!」
「ご、ごめん」
山本は勢い止まらず大川を責め立てる。
そもそも山本は自分勝手すぎる。
勝手に企画だと騒いで自分の思うようにならなければ怒る、
そして意のままにしようとするのだから。
大体、期間があまりにも短すぎると承知でのサプライズじゃないのか。
「もう、いいよ。明日はちゃんと持ってきてよね。」
「わかった」
「大川さんだけなんだからね、メッセージ出してないの!」
「うん、明日必ず明日持ってくるから。」
そうして山本は怒りながら教室を出て行った。
シンとなるオレンジ色の教室。
そこには俺と源田と大川の3人だけ。
フウ、と息をついて机にもたれた大川。
それを見た俺と源田は顔を見合わせ、あまりの衝撃に頬が緩む。
大川以外、全員がメッセージをちゃんと出していた。
勿論、俺と源田は期限を絶対に守る派なので一応山本には出しておいたが。
まさか、最後の一人がこいつだとは予想外だよ。
「なによ」
「いや別に・・・」
「佐久間、何笑ってるんだ」
「お前も笑ってるだろ!」
さっきまで笑っていた源田が平然とした顔で俺に問いかけるので肩パンを喰らわす。
それを見ていた大川が笑って、俺たちも笑う。
「卒業、か」
昨日まで卒業を“たかが”と称していた奴が不意に俯く。
そしてゆっくり顔を上げて、真剣な瞳でこう言った。
「・・・卒業したくないな」
トクン、トクン
「昨日までと言ってること違くないか?」
「そうかもね」
またハハ、といつもの笑顔。
真剣な瞳を見た瞬間、俺が微かに感じたあの感覚。
心臓が、鼓動が早くなったあの感覚。
“ も し か し て ”
( 真剣な瞳が )