二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 死にたがり少年N ( No.481 )
- 日時: 2012/07/11 20:21
- 名前: 兎欠 ◆GJi12uWTrE (ID: vj3b3W/M)
- 参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/
@002 [ 月が泣いた空 ]
ガタガタと窓に叩きつける風と雨の音。
カーテンのひかれた薄暗い部屋に、俺はいた。
ここはどこだ?
重たい体を無理やり起こし、あたりを見渡すが、これといっておかしなものはない。
言ってしまえば物置部屋という感じで、少しだけ埃っぽい。
部屋のことなんかよりも、俺の中にはもはや別の感情が産まれていた。
全身が軋むように痛いのだ。
腹部、腕、首、太腿、頭。
痛みのある所を触ってみれば、ガーゼや絆創膏などで処置がされていることに気がつく。
ガサ、
不意に開いた襖から俺は逃げるように後ずさる。
「ああ、起きていたのか。どうだ具合は。」
額にタオルを巻いたリーゼント風の若い男。
「だ・・・れだお前・・・!」
思いのほか裏返った声に自分が一番驚いたりした。
俺の問いに男は柔らかい笑みを見せ、近づき目線を合わせてくる。
役にも立たない布団を盾にズルズルと壁に後ずさっていく俺の体。
「驚かせてすまないな。俺はこの雷雷軒を営む2代目の飛鷹征矢だ。」
「教えろ、なんで俺はここにいる?!」
「まあ落ち着け。お前、名前は?」
「答えろなぜだ!!」
飛鷹と名乗る男は黙り込み、笑顔を消す。
畳にあぐらをかき腕を組む。
目付きの悪い眼でじっと見られると、体が硬直した。
怖いと心の底から思う。
こいつは只者じゃないとシグナルが脳内に響き渡る気さえした。
「お前、名前は」
低くなった声にこれ以上逆らえば生かせてはもらえない気が直感として感じ、視線をそらして答える。
「中島・・・力牙・・・」
「力牙か、いい名前だ。」
目だけで飛鷹を伺うと、さっきの笑顔を取り戻していた。
しかしそれも束の間。
再び笑顔が消え去り俺を見る目は悲しいものへ変化する。
「バットで殴られている所を友人が見つけてな。それでお前・・・力牙はここにいる。」
ゾクリ、と全身の毛がよだったのを感じた。
そうだ俺は昨日
あいつに追われていたんだ ------------------- 。