二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[高校生編15]The clock which begins ( No.60 )
日時: 2012/02/05 14:59
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)





部活が終わった帰り道。

吹雪くんは監督に呼ばれてしまって、遅くなりそうだから帰っててと言われた。

その時、ちょうどすれ違った豪炎寺くんに吹雪くんが


『女の子を一人で帰らせるのは心配だから送ってってあげて』
と言ったのには驚いた。



豪炎寺くんと2人きり。気まずいにも程がある。


前方から黒い車がザアッ、と走る。
運転していた人があたしたちを見ていたのは気のせいだろうか。



「守山、お前さ」


いつかの時みたいに豪炎寺くんがあたしを呼んだ。


「ん?」

首をかしげて豪炎寺くんの方を見ると、眉間に皺をたくさん寄せた豪炎寺くんの横顔。



「俺に、近づかないほうがいい。」
「…どうして豪炎寺くんがあたしを嫌ってるか聞いてもいい?」
「違う、嫌いなんじゃない俺は…っ」


勢いであたしの方を向いた豪炎寺くんは言葉を詰まらせて俯く。



なんでもないと言うと早足で歩き出した。


『嫌いなんじゃない』

嫌われてるわけじゃ、ないんだ?
じゃあ、なんでそんな事言うの?
なんで必死になってるの?


判んない。豪炎寺くんが、判らないよ。






        ( 狂い始めた時計 )