二次創作小説(映像)※倉庫ログ

[高校生編 完結]The courage that begi ( No.85 )
日時: 2012/02/11 12:03
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)




千宮路が用意させた車に乗り込む。


まだ、涙は止まらない。
泣きじゃくるあたしを抱きしめる豪炎寺くんは、優しかった。


あたしは涙を拭いて、顔を上げて豪炎寺くんを見上げた。




「もう、泣かない。あたしは吹雪くんを忘れる。想いも、過去も全て。」



フッ、と豪炎寺くんの手があたしの両頬を優しく包み
あたしの視界いっぱいに豪炎寺くんの顔が映し出される。



1度目のキスは、吹雪くん。

2度目のキスは、豪炎寺くんだった。




「…都、これで契約だ」
「なっ…」


優しい微笑みを見せた豪炎寺くんにトクンと心臓が跳ね上がり、負けたと自覚を強いられる。



「吹雪を、想いを、過去を、ここで忘れるという契約だ。」
「豪炎寺くん、ずるいよ。」


ニヤリと笑った豪炎寺くんの手を、あたしはもう一度強く握り締めた —— 。






           ( 歩き始める勇気 )





                 高校生編 完結