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写真の中で笑う弟を見る。


葬儀は1年前に済んでいる。

今も鮮明に瞼の裏で描くことのできる真紘の顔。

もう、あたしの傍にはいない。
手が届かない、助けられなかった。


絶望の淵に立たされて、一層増した憎悪感。


千宮路はあたしを裏切った。

許せない、あたしがこの手で地獄に引き摺り下ろしてやる。




「都、あんたまた弟くんの写真見てるの？」


不意に後ろから声を掛けられて、振り向くとそこには朝倉若の姿。


「違います」
「嘘へたなんだから否定したって無駄だと思うけど。」
「朝倉先輩の見間違いじゃないですか？」


まあ、いいけどさ。そう言うと朝倉先輩は呆れたようにあたしを見た。


「何ですか」

「いや、引きずってんなあって。」
「引きずってないです」

「じゃあ何であんたはこのフィフスにまだ残ってるの」



痛いところを突かれる。


あたしがここに残る理由。

それは千宮路に復讐をする為。






　　　　　　　　　　　　　(　あたしの心　)