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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: [ボカロ]悪ノ娘[小説集] ( No.22 )
- 日時: 2012/01/19 10:48
- 名前: 雪姫 (ID: MXjP8emX)
王女「…………」
かつて王女だった彼女はは真っ暗で冷たい牢獄の中にある小さな窓から見える月を静かに見ていた。
処刑の時間は午後の三時。教会の鐘が鳴る時間。そして王女様のおやつの時間。
かつて王女と呼ばれた彼女は、一人牢獄に閉じ込められて何を思って居るのだろう。
夜が明け女剣士が彼女を迎えに来た。
女剣士「さぁ、来い!!」
女剣士に連れられ、彼女はかつて自分の命で沢山切り殺させた町の広場にあるギロチンにセットされる。
ロープを持つはもちろん女剣士が持つ。
見物人「………………」
あの悪の王女が処刑されると聞いて世界中から沢山の見物人が集まった。
皆、彼女の首が斬り落とされるのを今か今かと待っている。
王女「……………」
彼女は相変わらず何も話さずに下を向いている。
何を考えているのかは誰にもわからない。分かるとしたら彼女自身だけだろう……。
そしてついにその時はやってきて、終わりを告げる教会の鐘が鳴る。
『ゴーン、ゴーン』
民衆どもには目もくれず、彼女はこういった——
王女「あら、おやつの時間だわ。」
『バサッ』
彼女がそう言ってすぐ赤い女剣士は手からロープを放した。
そして彼女の首は斬り落とされ、沢山の真っ赤な血が流れた。
見物人達は悲しむわけもなく、彼女の死を心から喜んだ。
小さな子供からお年寄り、そして動物や彼女の愛馬ジョセフィーヌまでもが——
悪の華 可憐に散る——
鮮やかな彩りで——
のちに人々は彼女の事をこう語った——
嗚呼、彼女はまさに悪ノ娘だったと——
*END*
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