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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 桜舞う中 (牧場物語ふたごの村) ( No.129 )
- 日時: 2012/07/21 14:16
- 名前: チョコミント (ID: c.8q4OQv)
第12話 思わぬ再会
私の声が聞こえたのか、役場の中にいる少女はこちらを振り返った。
そして、目をこれでもかというほどに見開く。
「イリス・・・!!」
喜びと驚きが入り混じった声をあげる。
やっぱり、この子は・・・
「ラビナ、なの・・・?」
私の記憶が正しければ。
この子はここに来る前に住んでいた村の・・・
「やっぱりイリスだ!!うんうん、ラビだよっ!」
少女、ラビナはにこにこと機嫌よさげに笑いながら私に近づいてくる。
私の隣ではナナさんが「イリスさんのお知り合い?」と声をかけてくるけれど。
私には、それに答えていられる余裕がなかった。
・・・なんで。
そんな普通な顔して話しかけてこられるの?
「ラビね、イリスに離したいこととかいっぱいあるんだ!」
・・・なんで。
そんな平然としていられるの?
「ずっとイリスに会いたくて、イリスのこと探してたんだよ♪」
・・・なんで。
そんな笑っていられるの?
ラビナは歩みを止め、私の前に立った。
手を伸ばせば、届く距離まで。
「・・・イリス?」
ずっと黙っている私に、ラビナは再度声をかけてくる。
やめて・・・。
もう、やめて!!
「イリ「こないで!!」
ラビナの声を遮り、私は声を張り上げ、一歩退く。
突然のことにラビナはえっ、と声を漏らす。
そんなことは気にせず、私は怒鳴り散らした。
「いまさら何の用なのよ!!ふざけないで!なんで来るの!?あんたはあの村で暮らしてりゃいいじゃないっ!!」
一気に溜め込んだ不満を吐き出し、少々息切れがする。
吐き出したって、全くすっきりしない。
私は呆然と立ちすくむラビナを残し、その場から走り去った。
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