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第2話　2つの村


「・・・い!・・・か!?」

誰かが大声で話しかけてきてる。

そして、かたを大きく揺らされてる。

「・・・もう!そんなに揺すったら痛いってば!!」

私はそう言いながら目を開いた。

「おお!気がついたか!!」

「よかった。倒れていたから心配したよ。」

私の目の前には、シルクハットを被った老紳士とキリッとした若い女性がいた。

ってゆーか、いきなり人に遭遇?

嫌気とめんどくささで何ともいえぬ顔をしてる私をよそに、老紳士は何か言ってきた。

「お前さん、牧場をやるために来たイリスくんじゃろ!?」

「はぁ。そうですけど・・・。」

いきなりそんなことを言ってきた老紳士を、訝しげに眺めてみる。

なんで私の名前知ってるんだ・・・?

「そうかそうか!わしはブルーベル村の村長のルドガーじゃ!わしの村に来ないか?歓迎するぞ!」

ああ、村長さんか。

だから私の名前を知ってたわけね。

私が納得してると、今度は女性のほうが声を荒げて怒鳴った。

「何を言ってるんだ!このはな村のほうがいいに決まってるだろう!!」

あまりの迫力に、さすがの私もたじろぐ。

「・・・ああ、声を荒げてすまない。あたしはこのはな村の村長、イルサだ。キミにはこのはな村のほうがあっていると思うぞ。」

こっちも村長さんか。

ふーん、2つの村があるわけね。

目の前の2人は、こっちのがいいだのそっちはだめだの言って、けんかしている。

なんか初日からめんどくさい・・・。

とにかくわかったことは、

どっちの村に行ってもめんどくさそうだなーってことかな。うん。