二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.18 )
日時: 2012/03/11 13:12
名前: 菜の花 (ID: TaF97fNV)
参照: この原稿打ったのは自分のPCではない。図書館のPCだ!

***「パンダヒーロー」第5話***



『またのお越しを」ボーイがドアを開けて二人を見送った。

暖房がガンガンにかかっている店内と比べ、外の寒さが以上に感じられた。

キーロックを解除して車に乗り込んだ。古い車特有の大きなエンジン音で床に置いたスーツケースが震える。

(それにしても————)車が発進し始めた。

(このスーツケース、本当にヤバいモンだったりしねーよな・・・)

漫画などで、よくマフィアのスパイがこの様なスーツケースで麻薬や銃を運んでいる。もし、今回がそうだとしたら————

(・・・犯罪じゃね?)これって、中身がヤバイ物と分かっておらずともこっちは捕まるような気がする。
大熊はその事態に気

がついていないのだろうか。それとも、このようなケースを承知でこの仕事を請けたのか?

つい、気になってスーツケースの蓋を開けた。




      「———え」



         これは




      「・・・まさか」





      入っていたのは————





        「ふく、ろ———?」








        白 い 粉 。







        「嘘だろ・・・・」









大麻だ。

頭が真っ白になった。これはもう、自分は犯罪者の共犯ではないのか。

「・・・どうかしたのか」後部座席で固まっている拓実を不思議に思った大熊が車を止め、拓実の方へ振り返る。

「!————あの客ッ」大熊は眉間にシワを寄せ、拓実から蓋が半開きのままのスーツケースをひったくり、乱暴に車のドア

を開けた。

「おい」いつもと声音が違う。

「車から降りてあたりに人に見つからなさそうな場所を探せ」冷え切った、怒りが駄々漏れの口調で大熊が拓実に言った。

「今すぐにだ」あまりの威圧感と大熊の変わりように少々の恐怖を感じる。

「は、はいっ」拓実は、言われた通りすぐ車を降り、辺りに適当な場所がないか探す。

5分位経っただろうか。拓実は、川岸の小さな崖のような場所の窪みを見つけ、其処に隠すことにした。

(此処なら、きっと誰にも見つからないはず———
—)細長い石で辺りの土をかき集め、スーツケースに被せた。

「行くぞ」急かすように拓実に声をかけ、大熊が車を急発進させる。

車内は、緊張と焦りなどの感情が入り混じった空気だった。

「————ふーん・・・・」




       拓実達は完璧に隠したはずだった。




       それが、糠喜びであるとも知らずに。




       「いいもの見ちゃった」



       寒い夜空に、少女の微笑みが広がったことを二人は知らなかった。



***



第5話終わったぁ・・・・
何か今回の話いつもより短いですw