二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.2 )
- 日時: 2012/03/10 21:13
- 名前: 菜の花 (ID: TaF97fNV)
***「パンダヒーロー」第2話***
「ここ・・・だよな・・・」昨日渡された紙は住所が書いておらずごく簡単な地図が書いているのみであった。(お陰で拓実は
30分も関係ないところをぐるぐると行き来する事になったのだが)
幸い今日は休みで予定も無かったので今日来る事にしたのだ。
「にしてもぼっろい店だよな〜」拓実の目の前にあるのは古めかしい小さ
な店。外装もペンキが剥がれかけ、目を凝らせばようやく、『大熊リサイクル店』と読み取れた。駐車場らしき場所には廃材ば
かりが無造作に置かれ、中には何に使うんだ、と言いたくなるようなパイプやさびた車輪がこれまた無造作に置かれていた、い
や、積まれていたと言ってもいいかもしれない。その位ひどい状況だった。
(場所、間違えたりしてない・・といいんだけど)というかここが本当は違う場所でありますように、と思いたかったが地図には
こことしか書いていない。
すうっと息を吸い込み、緊張を和らげてから中に入った。
「あのー、僕昨日『パンダヒーロー』とかいう人に来いって言われてきた者ですが・・・」なるべく大きな声を出して言ったつ
もりだったが中々店員などそれらしき人物が姿を現さない。それどころか、人の気配すらしないような気もする。
(本当にここで良かったのか、マジで)不安になってきた。
漫画によく出てくる“し〜ん”という効果音が聞こえてきそうなほど見事に音がしない。
(来ないから帰るか・・・・)そう思いかけていた時の事だった。
「何か用か」店の奥のほうから人の声がした。丁度、あの時出会った人の声に似ている。
「僕、昨日『パンダヒーロー』って人に助けてもらって、来いって言われたのでここへ来たんですけど〜」レジの方へと行こう
とするが、足場が中々無い。というか、足場など無いのだろう。下手をすればゴミ屋敷に間違えられるのでは、と思ってしまっ
た。
その内ガチャっとレジの向かい側にある職員専用部屋らしきドアが開き、人が出てきた。しかし、ドアから出てきたのは先程返
事をした人物とは程遠かった。
「お兄ちゃんお客さんなの?」出てきたのは、幼稚園児ほどの幼女だった。
「あ、いや・・ちょっと用があって。大人の人、いる?」そう聞いた時、
「大人とは、私の事か。やっと来たな、夜道で不良に絡まれ怖じ付けずいた腰抜けが」探していた声の持ち主が出てきた。
何もそこまではっきり真実を言わなくても、といいたくなったがぐっと我慢した。いや、我慢したというか我慢するしかなかっ
た、と言った方が良い。
それは何故か。
それは、声の持ち主である女の人の目が怖かっただけである。怖いというか、威圧感だろうか。何より、目が『文句あっかコ
ラ』と言っている様な気がした。
「今日お前に来いと言ったのは言うまでも無い、借りを返しに来させたんだ」
そういえば、帰り際「借りは返せよ」とか何とか言われた気がする。
「で、でも何をして・・・」そう言うと女の人は何当たり前のことを聞く
んだ、と言いたげな表情をし、
「決まってるだろう。ここは店だから借りを返す分アルバイトをして返すんだ」当然、と言わんばかりの声で言ったのだ。
(えっ、アルバイト?)拓実は少し拍子抜けだった。もう少し何か大きなこと(それが何か、とはまでは分からなかったが)を
しなければいけないと思っていたからである。
「どうした、やるのかやらないのか」ボーっと突っ立ていると聞き返された。
「えっ、あっやります」自分では思っても見なかったが、つい条件反射的に『はい』と言ってしまった。
そういうと、女の人はレジの向かい側にある部屋へと誘導した。どうやら、これから何をするなどを説明するようだ。
その部屋は店内のように散らかっておらず、むしろ店内より片付いていた。
「自己紹介がまだだったな、私は大熊カナ(オオクマ カナ)。ここの店長だ」店長、と聞いた時、拓実は少し驚いた。どう見
ても大熊はせいぜい二十歳か、それより下に見えていたからである。
驚いた顔をしている拓実には目もくれず、大熊は次の説明をしだした。
「先ずお前にやってもらいたい事は・・・」
「あのー、まだ僕の名前を言ってないんですけ「原拓実15歳。部活は卓球部」言おうと思った矢先、見事に名前、おまけに部活
動まで言い当てられたのでちょっと君が悪くなったくらいだ。
「そうだろう」気味の悪そうな拓実には無視も同然でどんどん話を進めている。
「・・はい」あっているので言い返す言葉が無い。
「やることは主に店内の掃除、駐車場の掃除だ。それとゴミ出し」
(えー・・・あんな酷い所を片付けんのか〜)ゴミ屋敷同然の店内を思う
と一気に気が重くなった。まぁ、『借りを返せ』と言われた瞬間から大して楽な事ではないとは予測していたが。
気が重い、などと思っているとビニールと軍手、掃除道具の場所や注意など大まかに書いた紙が渡された。
「私は店番のほかに中で色々やる事があるからちゃんとやれよ」そういうと大熊は店の置くから2階?に引っ込んでしまった。
店内には拓実一人。
「ねぇ、おにぃちゃん、何でおにぃちゃんはここで働いてるの?さっきはおねぇちゃんに怒られてたの?」・・・ではなかった。
見るとさっきの子供だった。ニコニコと話しかけて来る。
***
拓実に話しかけてきた小さい女の子がこの前書いたときは拓実の事を「お兄ちゃん」と呼んでますが今回は「おにぃちゃん」と書いています(^^;)実は最初そんな予定は無かったのですが幼さと可愛げを出すため(あれ?方向性間違ってますか?そんなつもりは無いんですけど・・)、そう書きました。コロコロ変わってすいませんw