二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.23 )
日時: 2012/03/19 17:39
名前: 菜の花 (ID: TaF97fNV)

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「俺は———次に成功するのはカインだと思うぜ」中央に座り、大きなジョッキを片手に持った坊主頭の男が言う。

「いやいや、あいつはもうラリって頭がおかしいから無いだろ」と、痩せ型の男。

「ジャック・・・はどうだかな。アイツもいい加減クスリが回ってきたから———しくじるかもしれねぇぞ」右端に座っていた

煙草をふかした男が口を挟む。

「まぁ、馬鹿はクスリ欲しさにこのゲームに参加しますから。無理にでもやって来るでしょう」と、年が一番下であろう小柄な、

まだ幼さが聊か残る男が言った。

「所詮は俺ら金持ちの道楽よ。ど、う、ら、く」そう言って坊主頭の男はジョッキに入った酒をすすり、せせら笑った。

ガハハハ、と周囲に下品な笑い声が響く。その時、坊主頭の男のすぐ横に座り、同じになって笑っていた革ジャンを着込んだ男の

携帯が鳴った。

「おいタナカ、携帯鳴ってるぞ」前の席にいた髪を金色に染めているチャラそうな男に言われ、タナカという男は渋々携帯に出た。

「ハイもしもし。・・・・あぁ、ジャッカルか」
その返事に、席に座っていた全員が面白そうにこちらを向いた。

「・・・・分かった。欲しいなら———一人いいのを連れて来い。・・・・どんなのがいいかって?そうだな———」タナカは中

央の坊主頭の男の顔を見る。男は、ニヤリと笑い、目で返事をするかのように頭を振った。

「女児だ。5,6歳の。・・・いい、売り飛ばせば金になる。いいな」

そう言ってタナカは満足そうに電話を切った。

「面白くなってきたな」煙草を吹かす男が微笑を作った。他の男達も、面白そうにニヤニヤとしている。

「まんまと言ってきたぞ。アイツ、早速オピウムをよこせと言って来た」その一言に、周囲は又もや下品な笑いに包まれた。


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「くそっ」ガシャンッ、と携帯を地面にたたきつけた。その呼吸は荒い。

「あの野郎————ちゃんと届けてなかったか!」この男はジャッカル。たった今、麻薬の売り子に電話をかけた直後だ。

男の目は血走り、ボロボロの歯は黒く変色している。
一目で薬物中毒患者と判る。そのせいで頭が上手く回らないのか、些細な事

に苛立ちを覚え出していた。

「中身に勘付きやがった・・・!」怒り余って、手元にあった物を手当たりしだい床に叩きつける。

ゼーゼーと興奮し荒い呼吸を整えようともせず、男は思いついたかのように呟いた。

「そうだ———」男は口の端を上げて微笑を浮かべた。

「パンダん所にはチビがいたな——それも女」辺りをゆっくりうろつきながら再度考え直すようにもう一度さっきの言葉を繰り返

す。

「パンダん所にはチビがいたな——それも女・・・・じゃあ、そいつを頂くとするか・・・」

ジャッカルはそう言ってテーブルの上の銃を握った・・・。



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