二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.38 )
日時: 2012/03/14 18:51
名前: 菜の花 ◆GAVGpnzwIc (ID: TaF97fNV)
参照: トリップなるものを今更ながら付けてみた。

***


『これを聞いている人物にはある命令が下されます。』流れてくる声は片言で、まるで練習をしていないスピーチをするかの

ように、原稿を読んでいる感じだった。

『今この音声を聞いていると言う事は、貴方達は身内の誰かが誘拐されていることでしょう。』

「誘拐」、と言う言葉に大熊と拓実の耳が、反応するように少し動いた。

(この声でこう言っているって事は———————)もしかして、いや、100パーセント中100パーセント、「李沙は

誘拐された」、と言う事になる。

(やっぱり、あの男が・・・・誘拐した・・のか?)

あの男———————————ジャッカルが。

(でも何のために・・・・・)相手は麻薬中毒者だ。何をしでかすか見当もつかない、予測不可能な精神状態である。

『別に敵意があり誘拐をしたわけではありません・・・・ただ・・』

「ただ?」わくわくしたようにGUMIが話の続きを待った。

『ちょっとしたゲームに付き合ってくだされば結構です。』

「ゲーム?」意味が分からず、チラッと、大熊にどういう意味か解釈を求めたが、大熊は何か考え込んだように動かない。

『場所はあの時と同じ、カジノへお越しくださればいい。あと、


     あの事を知っている者は全てお越しください』






ばれていた——————?


(嘘だろ・・・)

証拠は、完璧に隠したはずだ・・・った。

GUMIにはばれたが、上手く丸め込んだようだし・・・・・



      麻薬
      
       ↓

      ばれた

       ↓

      カジノ=マフィア。


      マフィア=関わったら命の保障は無い・・・・・



一瞬で、背筋が凍るのを感じた。

カジノ=マフィアと、直接つながったと決まった訳じゃなかったが、なんせあのようなカジノだ。

客が、麻薬の取引を平気でしているような店————確率はほぼ十中八九どころではない。

「タクどうしたの?」GUMIの声にハッとなって、我に返ったが、今だ信じられない。

「あれ?もう何も聞こえないみたいだけど・・・・」GUMIがつまらなさそうに音が聞こえなくなったラジオを振る。

つまんないのー、と、ラジオを大熊に返そうとしたGUMIが、ラジオを妙な角度(犬に見えると言って、拓実からラジオを

返してもらった後も、犬の形に見えるように妙な角度に向けていた。)から通常の向きに向けなおしたその瞬間、突然罵声と

もいえる大きな声が3人の耳を劈いた。

『大熊ァァァァ!!!用件を破るとはいい度胸じゃねーか・・・・』

さっきの声とは打って変わって、自分の意思で喋っている、地声、と言うのにふさわしい荒々しい声。

『何だかよく知らねーが、お前のとこのチビを売り子の指示もあって頂いた・・・・・いい気味だ』そう言って、男の声はこれが

最後に録音されておらず、すぐにまたノイズだけが流れるようになった。

「何これ・・・・・怖っ」何も知らず、一人怯えるGUMI。

その横で、拓実は違う意味で怯え、戦慄していた。

録音された声が流れ終わったからか、大熊は重い腰を上げ、拓実達2人の前に立った。

「これは・・・・・聞いての通り脅迫文だ。このラジオは、今朝、ポストの中に放り込まれていた」淡々と語る大熊だったが、

その目は怒りと、恐怖らしき憎悪が湛えられている。

「訳は・・・・・言わなくても分かるだろう。ばれた、んだ」

心の奥で、嘘だと願っていた拓実のささやかな期待は、無駄に終わった。

「原・・・・・悪いが一日仕事に出る事になるぞ。それも・・・・・かなり危険な」

危険、と言う事がどれ程の物かは大体見当がついた。

それは、『命の危機かもしれない程』の。

「—————————分かりました」行かなくても、危険な事も分かっている。

仕度をしようと拓実は鞄を手に取るが、横でGUMIが期待半分、好奇心半分の顔でこちらを見ていた。

「あたしも行くから」

「「駄目だよ」だ」こんな女の子を、巻き込む訳には行かない。

だが、少し考える。

『目撃者は全員来い』と、言う事ならもしかしてGUMIも——?

チラリと、大熊に目配せをする。

大熊も、同じ事を考えていたらしく同じように目配せをした。

ここは、胎をくくるしかなさそうだ。

「—————————分かった、ついて来い。ただし」

「車の中で待機していろ」

GUMIは不満そうだったが、大熊の鬼の形相のような視線に流石に驚いたのか、それ以上何も聞いてこなかった。

「行くぞ」

出発する。

3人で車に乗り込み、GUMIも拓実達と同様の服装で車に乗っていた。

(これってホントマジで—————————)






大変な事になったぞ。


***


第8話や————————————————っと終わった-3
長かったぁ。
昨日クラスで「パンダヒーロー」かけたら皆固まった、というカオスな思い出を卒業間際に持った筆者。
目が疲れた〜