二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.42 )
日時: 2012/03/16 17:35
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
参照: トリップが変わってますが、同一人物ですよw

***

拓実が店に入るのに躊躇していると、大熊が急かすように拓実の服の裾を掴み、店内へと半ば無理矢理連れ込んだ。

「いらっしゃいませ」入り口付近のテーブルを拭いていたバニーガールが、手を止めて拓実達をテーブルへ案内する。

「ジャッカル様がお待ちです」そう言い残し、バニーガールが席を指した。

そこには、以前より薬が回ってきているのか、それともこの前の事が気に障っているのか、それともその両方か—————

「・・・・・・待っていたぞ」堂々と椅子に踏ん反り返る、ジャッカルがいた。

「この事を知っているやつはこれで全部だな」ギロリと、大熊を睨んだジャッカルが、怒っているのかダンッっとジョッキ

をテーブルに叩き付けた。

「全部だ」そんなジャッカルには眉一つ動かさず、淡々と答える大熊。

(怖・・・・・)殺伐とした空気と、ジャッカルの怒鳴り声、大熊の抑揚の無い声のアンバランスさが不気味に思え、違う意味で

眉一つ動かせない。

どうにか気を紛らわせようと、グルッと店内を見渡す。

昼間なのだからか、店内には以前来た時の10分の1も客がいなかった。でも、相変わらずあの趣味の悪いパンクロックと、き

つい程の酒の香り、ネオンの光は変わっていない。

「今日ここにお前等を呼んだのはゲームをするためって言ったよな」

「あぁ」

「そのゲームをまだ言って無かったから今言う・・・・ポーカーだ」

(ポーカー?)ポーカーとはまたなんともカジノらしい。

「ポーカーの勝負にお前等が勝てば、あのチビは返してやる」

「本当かっ?!」バッと、人が変わったようにテーブルに乗り出す大熊。大熊はいつも、李沙の事になると人が変わるのは

不思議だ。

「ただし。俺が勝ったら・・・・・・・」

「勝ったら、どうなるんですか」聞いてられず、拓実は思わず口を挟んだ。

「勝ったら・・・・」この男どうやら、考えていないらしい。

「考えてないのか」

「う、五月蝿い!とりあえず勝負だ勝負。座れ!」ジャッカルに言われ、今初めて自分達がずっと立っていた事に気づく。

「よし、座ったな。じゃあ・・・・そっちの男の方!お前と勝負する」

「え、お、俺?!」予想外の展開に、慌てて大熊の方へ目線を送る。

[大熊さん、僕ポーカー勝負なんて自信ないですよ・・・・。それも、あんな慣れてそうな人とやるなんて]

コソコソと大熊に耳打ちをするが、大熊はさらりと、

[ルールくらいなら知ってるだろ。それにホラ]

大熊が指差す方向には、男の席の真後ろに大きな鏡があった。

「あっ・・・・」ジャッカルは気づいていない。それも薬のせいで思考が上手く回転しないせいもあるのだろう。

「女の方は何かたくらんでそうだからな・・・・っておい、何をコソコソしている」

ハッと我に帰り、拓実は男からトランプの束を受け取った。



***


[]は、コソコソ話をしているときの台詞・・・・のつもりです^^