二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.44 )
日時: 2012/03/16 21:01
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
参照: 皆様のおかげで参照300突破です!感謝してます^^

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そう言って拓実は何か拭く物は無いか、と考えたがハンカチなどは持っていなかったため、戸惑っているうちに大熊が自

分のポケットからミニタオルを出して拭いていた。

「お前・・・・・何してくれるんだ」キッと、大熊がジャッカルを睨んだ。その顔は、パンダのような目の下の化粧が落ち、あ

の整った素顔が剥き出しになっている。

その瞬間、ジャッカルの目の色が変わった。

「———————————ユウカ?」

拓実の知らない人物の名前を呼び、瞳孔が開ききった目で大熊の方を見つめるジャッカル。

「は————————?ユウカ・・・・って・・・誰?!」拓実はそのような名前など知らない。

(聞いた事無い名前だな・・・・・・客にもそんな名前の人はいなかったし)この男、よっぽど薬が回っているのか、大熊と他

人が同一人物だと錯覚しているらしい。

「なぁ、ユウカなんだろ?・・・・そうなんだろ?」ジャッカルは瞳孔を見開き、どこか狂人のような喋り方で大熊に少し近

づく。

「ち、違う!人違いだ!」大熊はまだ少し濡れた髪も拭かずに、必死でジャッカルを追い払う。

「あなた、大熊さんに何を「うるせぇ、ガキは黙ってろ!!」ジャッカルに怒鳴られ、肩をすくめた拓実はもう他に何も

言えず、そのまま押し黙るほか無かった。

「違うなんて・・・・・言うなよ。俺達、一緒に駆け落ちした仲じゃないか」

ジャッカルのその『駆け落ち』という一言に、大熊の目がさっきまでと打って変わって、憎しみの篭もる、憎悪の目に変

わった。

「え———————“駆け落ち”?」まるで、聞き捨てならない事を聞くかのように

「あぁ、俺等は駆け落ちして海外に渡った仲だよ」

「嘘だ」大熊は、更に憎しみを込めてジャッカルを睨む。だが、その睨み方はまるで、自分を守るために睨んだいるかの

ようだった。

「違う、嘘なんかじゃない」

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」大熊が、これ以上聞きたくないとばかりに耳を手で塞いだ。

「嘘じゃないだろ?だってユウカと俺は—————————」



















































「家族を捨てて、海外に行ったんだからな」


***


9話終わりました^^
この話の大熊さんが「嘘だ」を連呼するところは9話書き始めた頃からずっと書きたかった場面です♪
だから今、大満足な筆者こと菜の花。
とまあ、どーでもいいあとがきは置いといて、参照300突破は感激モノです。
見て下さった皆様、ありがとうございます!