二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.45 )
日時: 2012/03/19 18:51
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
参照: 大熊さん目線です。

***「パンダヒーロー」第10話***


「カナ、赤ちゃんは任せたから」

それは、4年前の姉の唐突で、訳の分からない一言から始まった。

「———————は?」当時14歳の私には理解しがたかったし、何より姉に子供がいること自体初耳だった。

「じゃあ、姉ちゃんしばらく帰って来ないからね。カナはもう中2だから心配無いでしょ」まだ姉の言っている意味が何

日かの旅行だと考えてしまった私は、何の疑いも無く姉を送り出した。

いや、疑いはあった。聞きたい事も山ほど。(相手は誰とかどうしてそうなった、とか)でも、言えなかった。

あの姉の、真っ直ぐで昔から変わってない瞳の奥に、どこか追い詰められた感情が僅かながら滲んでいたから。

(姉貴だって、何か私に言えない悩みとかあるんだろうな)そう、信じて疑わなかった私は、姉から預かった赤ん坊を何

処かに寝かせようと、狭い部屋にかろうじてカーテンで仕切られている、私と姉の部屋に入った。

(あれ?)

いつもなら、姉の部屋らしきスペースには小さな安物の勉強机用のちゃぶ台、布団等が置かれていたのに———————

「・・・・・なんで・・・何も無くなってるの?」部屋には、夜逃げでもしたかのように、ほとんど何も残されていなかった。

「引越しでもするみたいだな・・・・・」

(この前見たときは確か—————————ん?)

「・・・・最後に姉貴の部屋に入ったの・・・いつだったけ」ここ何ヶ月か、姉の部屋には一歩も入っていなかった。

実は半年ほど前から、姉が私に何か隠し事をしているような雰囲気は、薄々感じていた。

その証拠に、最近部屋に入ろうとすると怒鳴られていたから。

極め付けに、部屋に入るなと怒鳴られるようになってから、姉は帰りが深夜になる事が多くなった。ある日は、一週間以上帰ってこなかった日もある。


***