二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.59 )
- 日時: 2012/03/26 18:16
- 名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=t-LL1NDaKRM
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だが、その心配は無用だったようだ。何故なら、10分程歩いて、人気の無い所に出たかと思うと、一軒の古びた大きい建物に案内さ
れたからだ。
「ここ・・・・・・何処?」そこは、駐車場に色々な車が停まっており、外からでも分かるほどに店内が騒がしいのだろうか、店
の外にまで店の中の話し声や音楽が聞こえている。
「ここだ」そう言って男性は、店のドアを開けた。
(うわっ・・・・・・)店内はとても騒がしく、きっと常人は入る事の無い店のような雰囲気がひしひしと伝わってくる。
「どうしたんだ、入らないのか」男性は不思議そうに私に問いかけるも、こんな光景を見せられて、少し非現実的すぎたのか、そ
れとも直感的に『ここは私の入る場所じゃない』と体が拒むのか、何故か私の足は進まなかった。
「・・・・・」中々店に入ろうとしない私に、じれったさを感じたのか男性は、グイっと私の手を引いて店内に入った。
(あ・・・・・・)その手はとても大きくて暖かかった。
いつも私はカナより年上だから、常に手をつないであげる方だった。
ただ、それだけの事なのに、胸が速いのは————————気のせいなんだろうか。
ボーっとしているうちに、気がつくと私達2人はバニーガールに案内されて、近くのテーブル席に腰を下ろしていた。
「テキトーにいつものやつと・・・・・あ、この子には・・・・ソフトドリンクか何かを」男性は2人分のドリンクの注文をバニーガールに申し
付けると、私の顔と向き直った。
「あー、さっきの事だがな・・・・・・」男性はそう言いかけた時、何か思い出したかのように言葉を切る。
「そういやまだ俺の名前も、あんたの名前も聞いてなかったな。俺は—————ジャンだ」ジャンと名乗る男性は、バニーガールが
運んできた飲み物を私のところと自分の前に置く。
一瞬、さっき会ったばかりの他人に本名を軽々と教えてもいいのかと少し迷ったが、特に害はなさそうなので教える事にした。
「裕香です。大熊、裕香」ジャンという男性にそう告げると、私はバニーガールから受け取った甘いソフトドリンクを啜りながら、
店内を見渡した。
店内は、何かしら表ざたに出来ない職業に見える客が大半で、皆トランプやボードゲームをやっている様子だった。
(ここ・・・・・・・ホントに入ってもよかったのかな)周りは強い酒の香りと女性が付ける香水の香りで満たされており、そんな場に来た事
の無い私は、軽く気持ち悪くなった。
それに輪をかけるかのように、店全体に得体の知れない、一言で言えば『趣味が悪い』とでも言おうか。かなりの大音量でかかって
いるのであろう、店の装飾のガラス細工らしきインテリアが小さくビリビリと震えている。でもそれより五月蝿いのは、客の喋り
声。酒で酔っている客が多いんだろう。その客達が出す大音量の声量のせいで、あの趣味の悪い曲を効かずに済んだのでよかった
が。
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この話を書いている途中にBGMとして使用した曲が、上のURLの曲です^^
「リンネ」にハマったはいいが、ちょっと大人しめの曲じゃないと集中力が切れそうな感じだったんで、見つけたのがオルゴール版。
いやー切なくてネ甲です(;-;)
オルゴールだとガラっと雰囲気変わりますもんねw