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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.63 )
- 日時: 2012/03/28 21:00
- 名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
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「どうしたんだ?」ジャンさんは、キョロキョロと辺りを見回してばかりの私を不思議に思ったのか、グラスを片手に私の顔を覗
き込んだ。
(きゃ・・・・・・・)少し、恥ずかしい。別にただ顔をのぞいているだけなのに。
「・・・・・?それじゃあ、そろそろ本題に入るか」
ジャンさんは余り気が進まないが、と呟きながら少しずつ、分かりやすいように言葉を選びながら話し始めた。
「——————————この事は、あまり一般人には話したくないんだが・・・・もう言い出したから話すぞ。・・・・・実は、俺は、そ
の、だな」
「どうか、したんですか?」まだ火照りが残る顔を上げて、少々勇気を出してジャンさんに詰め寄る。
「あんたを襲ったあの男・・・・・・実は、さっきも言ったかもしんねーが、俺の知り合い・・・・みたいな奴でな」
そこからジャンさんは、ゆっくりとぽつりぽつりと話し出した。
何でも、ジャンさんはあの男に仕事上恨みを買って、ずっと付きまとわれていたらしい。
ジャンさんからも直接注意をしたのだが、それでも止めないのでそろそろ警察に相談しようと思っていたところを、半年前、その
付きまとっていた男にひき逃げをされたのである。
「———————————ってわけで、俺に救急車を呼んで助けたあんたを、あいつは俺の仲間だと思ってあんな目に遭わせたん
だよ」正直すまなかったと、ジャンさんはまた頭を下げた。
「い、いえっ。私は大丈夫です」そういいつつ、私は壁にかかっているやけに読みにくい、デザイン性重視の時計にちらちらと目
をやった。
今は、21時。
家ではきっと、カナが心配している。でも、ジャンさんの話を切って、ここで帰るのも失礼な気がした。
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