二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 続き ( No.32 )
- 日時: 2012/07/25 13:08
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
.
雷々軒。響木が新聞を読んでいた。
———ガラガラッ
響木「! ……」
扉を開けたのは円堂だった。
響木「…来ると思ったよ。」
円堂「監督、どうして、鬼道と不動が同じチームなんですか。あの2人の事は、監督だって分かっている筈なのに…」
円堂の後ろから人影が。
円堂「! 鬼道…」
鬼道「…考える事は一緒だな。」
.
鍋の中のスープが煮え滾る。
鬼道「俺は納得出来ません!不動を選んだ理由は何ですか!」
響木「…それは彼奴に聞け。」
響木は、カウンター席の端に居る人に目をやる。
円堂「…零!」
零「……」
響木「不動を挙げたのは其奴だからな。」
零は左肘をテーブルについて座っていた。席に駆け寄る円堂。
零の前には食べかけの炒飯が置いてあった。
零「…彼の能力を高く評価しただけ。じゃなきゃ呼びませんよ。」
「あーん」と言い、炒飯を口に含む。
鬼道「俺には、彼奴が日本代表になるだけの力があるとは思えない。」
響木「……代表になるかならないか、それは俺達が見極める。そのための選考試合だ。」
鬼道「っ……」
響木「いいか、試合の内容によっちゃあ容赦なくお前達は落とされる。」
円堂「分かっています。分かってますけど……」
円堂は鬼道を見る。響木は立ち上がった。
響木「まずは選考試合をしっかりとやり遂げる事だ。そして、その先にある世界との戦いの中で、お前達がどう変わっていくか、その答えはお前達の“ここ”にある。」
自分の胸に拳を当て、ニッと笑う響木。
円堂「…それは、監督から俺達への“挑戦”って事ですか?」
響木「挑戦か…そうとも言えるな。」
零「((モグモグ…
(……挑戦ってキャラかよ。)」
零は炒飯をもぐもぐと食べながら思う。
円堂「やろうぜ、鬼道!」
鬼道「…ああ。」
鬼道は、響木を真っ直ぐと見つめる円堂を見ていた。
.
円堂「明日は、雷門中で特訓する事にしたんだ!そっちは?」
河川敷で楽しそうに話す円堂。
鬼道は相変わらず深刻そうな顔をしている。
鬼道「…帝国でやる。ある意味俺のホームグラウンドだからな。」
円堂「どうしたんだよ!こうならやるしかないだろ!…不動の事は、気になるけど…俺のチームだって、まだまだ謎だらけの奴が居るんだぜ?」
鬼道「………」
黙り込んだままの鬼道。
やっと口を開いた。
鬼道「…さっき、お前と監督を見ていて羨ましくなってな。」
円堂「……え?」
鬼道「お前は響木監督やおじいさんのノートがサッカーを教えてくれる。…だが俺は………」
円堂の瞳が揺れる。
鬼道の手は震えていた。
鬼道「俺は不動とうまくやる自身が無い。どうしても、“影山”を思い出してしまうんだ。」
円堂「…………」
鬼道「…フッ。ずっと影山の呪縛から逃れられないのかもしれない。」
そう言って鬼道は立ち上がり、道路へ登って行く。
円堂「今は、日本代表の事だけ考えようぜ!」
鬼道「…選考試合で会おう。」
去って行く鬼道。
円堂「ああ!負けないぜ!そして一緒に、世界へ行こう!!」
鬼道は何も言わなかった。
少し肩を落とす円堂。
.
.
.
選考試合の日。
雷門中のグラウンドには、代表候補に選ばれなかった半田達だけでなく、その他の生徒達、他の県の学校のサッカー部の選手も居た。
壁山「凄いッスね、皆応援に来てるッスよ〜;」
風丸「ああ、当然だ。日本代表が賭かってるんだからな。」
お互い違うユニホームを着ている壁山と風丸。
.
円堂「行くぞ!悔いの無いゲームにしようぜ!!」
Aチーム「「「おう!!」」」
豪炎寺「……」
隣の虎丸を見る豪炎寺。
虎丸は汗を掻き、緊張しているらしい。
深呼吸をする虎丸。
鬼道「俺達はチームメイトであると同時にライバルでもある。自分の力を出し切っていけ!」
Bチーム(一部)「「「おう!!」」」
響木「よし…試合開始だ!!」
「「「はい!!」」」
その声が掛かれば、沢山の拍手と歓声が沸き起こる。
マネージャーや目金も真剣な顔つきになる。
[さあ、お待たせ致しましたぁ!!中学サッカー界のスーパースター達が一同に開始!最強イレブンを決める世紀の一戦が、間もなく始まろうとしています!!!]
遠くからは、冬花とその父が見ている。
[フットボールフロンティアインターナショナル、日本代表選考試合!円堂守率いるAチームと、鬼道有人率いるBチームの…紅白戦であります!!]
豪炎寺「世界と戦う…。そのためにもこの試合、全力でぶつかる!」
吹雪「新しい自分、新しい仲間、僕は必ず世界へ行く!」
鬼道「………」
鬼道は不動を睨む。
鬼道「…世界中の強い奴等が俺達を待っている…だから俺は、ここで立ち止まって入られない…!」
ピーーーッ!!
[愈々キックオフ!]
吹雪から染岡へパス。
円堂「(じいちゃん、今度は世界だ。俺達のサッカーが、世界に通用するか見ててくれ!)」
.
(ED)
.