二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第76話「代表交代!?最強の挑戦者たち!!」 ( No.41 )
日時: 2013/03/06 22:46
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




夜のグラウンド。もう誰もいないはずだが、いくつものボールが転がり、その中に1つの人影があった。
人影の正体は緑川だった。
緑川の視線の先には地面から突き出たような形にセットしてある棒状の障害物。恐らくフェイントの特訓をしていたのだろう。
緑川は目を細め、他の選手達を思い出す。

ビッグウェイブス戦、DFながらに新しいシュートを編み出し見事ゴールした綱海。軽やか且つ強力なシュートでゴールを割った自分より2つも年下の虎丸。
緑川は焦っていた。


緑川「(みんなどんどん力を付けていく……もっと、力を付けなくちゃ…! このままじゃ……)
…っ!!」


緑川は再びボールを蹴り出した。
幾つもの障害物をすり抜けるが、ゴールに近付くごとに難易度は増し、ドリブルが途絶えてしまう。


緑川「っ!! ……もう1回だ!」


今度は障害物を上手く避けられ、シュートを撃った。だが障害物を避け、バランスが成っていないまま撃った為か、ボールはゴールポストに当たった。


緑川「……くっ…;」


.


(OP)


.


朝、メンバーは食堂にて話していた。


円堂「新必殺技?」

鬼道「オーストラリア戦とカタール戦、2試合を戦って、みんなも世界のレベルの高さは実感したと思う。アジア予選を勝ち抜き、世界大会へ進むためには、より強力な必殺技が必要だ。…風丸、日本代表のメンバーを決める紅白戦でのことを、覚えているか?」

風丸「紅白戦で?」


風丸と円堂は顔を見合わせる。


零「後半戦、宇都宮からパスを受けた風丸さんが、綱海さんを突破しようとした時のことです。」

円堂「ああ!」


目を伏せて相変わらず笑んでいる、壁に寄り掛かっている零が言うと、円堂は思い出したように声を上げる。


綱海「覚えてるぜ…確かに凄ぇ風だった。」

零「で。鬼道さんはそれを新必殺技に生かそう、と…」

鬼道「ああ。あの風に更なる磨きをかければ、強力な必殺技になるはずだ。」

風丸「…」


鬼道の話に、風丸は真剣な面構えになる。


鬼道「久遠監督にも、自主練習の許可は取ってある。」

風丸「分かった。その必殺技を完成させればいいんだな。」

鬼道「ああ。…それから、吹雪と土方。」


今度は吹雪と土方に話を向ける。


鬼道「2人には、連携必殺技のシュートを習得して貰いたい。」

吹雪「連携の、必殺技?」

鬼道「パワーと安定したボディーバランスの土方、スピードの吹雪、2人の連携必殺技があれば、強力な武器となる。」

零「2人の長所を尊重したシュート技っすか。それもディフェンスの。…面白いっすね。」


くすりと笑う零。


土方「攻撃の幅を広げるんだな? よし任せとけ! やろうぜ? 吹雪。」

吹雪「うん!」


緑川はどんどん進んでいく話に憂鬱になりながらパンを食べる。


綱海「連携必殺技かぁ…何か面白そうだな。俺達もやってみっか!」


綱海は隣にいる壁山に声を掛ける。壁山はいきなりの使命にパンを喉に詰まらせかけた。


壁山「ぅ、お、俺っすかぁ!?;」

綱海「何だ、嫌なのかよぉ。」

壁山「ああ、いや、別に、嫌ってわけじゃないっすけどぉ…」

綱海「じゃっ、決まりだな!」


綱海が口を尖らせると慌てて弁解する壁山。綱海は1人で提案し1人で決めてしまった。


綱海「いいだろ鬼道、零!」

零「勢いのある綱海さんと、それとは真逆の壁山…試してみる価値はありますね。」

鬼道「確かに、面白いコンビかもしれないな。」


2人は納得する。
壁山は項垂れたままだが。


綱海「ぃよーっし! すっげぇ必殺技完成させてやるぜ! な、壁山!」

壁山「は、はいっす…」


零はボードと、どこからか手にしたゼリーを手にし、鬼道の席まで歩み寄った。


零「随分と念入りっすね、鬼道さん。僕がいない間に頑張ってくれたみたいじゃないすか、こんなに細々と。」

風丸「おいそれ俺の;」

零「努力家っすねー鬼道さんは。このまま任せちゃいたいくらいですよ。」


零はゼリーを食べながら鬼道を褒める。そして食べ終えると、笑顔でカップを風丸に投げた。カップは音を立てて風丸の頭を跳ねる。


木暮「このコンビじゃ期待出来そうにないけどね、ウッシッシッシッシ♪」


円堂「そうと決まれば、早速特訓だ!」

「「「おう!」」」


緑川はパンを置き、殆ど摂っていない食事を前に、厳しい表情をしていた。


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土方が地面にボールを置く。


土方「行くぞー、円堂ー!」

円堂「来い!」


構える円堂を確認し、2人は同時に走り出した。一部メンバーとマネージャー達は成り行きを見守る。

土方がボールを運び、吹雪は土方の少し前を走っている。1列に並んでいる2人を想像して頂きたい。


土方「吹雪ぃ! おりゃあっ!!」


土方が吹雪に向かってボールを蹴る。
が、タイミングが合わず、吹雪は顔面で受けてしまった。


「「「!」」」

円堂「吹雪!」


円堂と土方が駆け寄る。


土方「大丈夫か!?」

吹雪「うん…大丈夫だよー!」


まだ吹雪のところにまで辿り着いていない円堂に声をかけた。


立向居「全然タイミングが合っていませんね…」

目金「ま、そう簡単に出来るとは思っていませんでしたけどね。」

零「よし。」


急に声を発した零をみんな見る。


零「あとは3人に任せて、皆さんも練習しましょう。」

「「「はい!」」」


その様子を不動は上から見ていた。


不動「フン…何が連携必殺技だ。」


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(抜かし)


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